第5幕
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『本当に大丈夫なのか?』
「何が?」
『決闘』
「死なねぇ程度にしておけば文句はねぇだろ?」
『そりゃそうだけど……』
決闘をすると言ってから一時間程。
海たちは万事屋の事務所に来ていた。近藤や新八たちは既に決闘場所へと行っているはず。
「そういえば、さっきのあれ。違うからな」
『さっきのあれってなんだよ』
「その……許嫁とかなんだとかって話」
『あぁ、あれか。そんなんわかってる。銀時の態度見てたらわかるだろ』
あんなあからさまに首を振っていたら誰も気づくことだ。ぎこちない銀時の言動に違和感を抱くはず。
冷静に見てみればわかることだったのだが、あそこまで暴走してしまっていた近藤には全てが本当に見えたのだろう。
『でも、お前もそろそろ身を固めたらどうだ?可愛い嫁さんでももらってきちんと仕事もやって残りの人生謳歌しろよ』
「それはお前も同じことだろ。その、なんだ。海はそういう相手いるのかよ」
『残念ながらいねぇな。作る気にもならねぇし』
「おま、人のことを言えた義理か!?」
『ははっ、悪い悪い』
確かに言われてみればそうだ。自分は結婚なんて考えてもいなかった。今は仕事が忙しく、彼女を作る余裕なんてない。好きな人が出来たと喜ぶ近藤を羨ましく思ったが、そう思っただけで自分は欲しいと思うことは無かった。
人のことをいえた義理ではないと言った銀時の言葉は最もだ。先程の発言が段々とアホらしく感じ、海は吹き出すように笑った。
「久しぶりに笑った顔見たな」
『そうか?』
「いつもムスッとしてるか、無表情だろ。顔の筋肉死んでるのかってくらい」
『死んでねぇよ生きてるわ。別にそんないつも無表情なわけじゃねぇよ』
「ならいいんだけどよ。昔はもっとコロコロ表情変わってただろ」
『……昔は昔だろ』
「そうだな」
思い出すのは幼少期の思い出。あの頃はいつも四人で笑い合っていた。何をするのも一緒だったのに今では全員バラバラのことをしている。いつの間にこんなにも散り散りになってしまったのか。
最初こそは同じ場所に立っていたのに。いつの間にか晋助と桂はテロリストとして全国に指名手配書が出され、自分はその二人を捕まえる側の人間。
彼らがが無事に生きているということに安堵するよりも先に、あの二人をいつかこの手で捕まえなくてはいけないのかという不安がいつまでも海に付きまとっていた。
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