第5幕
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「許嫁です。私、この人と秋に結婚するんです」
そう言って銀時の右腕に擦り寄るお妙。
腕を掴まれている当人は「はぁ?」と驚いた顔。そして何故か海の方を見て激しく首を横にふる。
こうでもしないと近藤はお妙の事を諦めはしないだろう。だからお妙に付き合ってやれと銀時にこっそりと耳打ち。嫌そうな態度をしつつも銀時は流れに身を任せた。
「いや、いいんだ。お妙さん。君がどんな人生を歩んでいようと、俺はありのままの君を受け止めるよ」
「は?」
『……だめか』
「君がケツ毛ごと俺を愛してくれたように」
「愛してねぇよ」
もう近藤はお妙に夢中で周りが見えていない。常識的に考えて、ここは身を引くべきだろう。将来の相手が決まっている女性を口説き落とすなんて普通はしないのだから。
それなのに近藤はどうしてもお妙と付き合いたいと叫んだ。
『もうこの人だめだわ』
「いや、お前んとこの上司だろ。どうにかしろよ」
『無理言うな』
お妙と口論している近藤を冷めた目で見る。普段から常識外れな人だと思っていたが、ここまでは思わなかった。
よくこれで局長が務まっているなと心配する程に。
「お前がお妙さんの許嫁だろうと関係ない!お前なんかより俺の方がお妙さんを愛している!俺と決闘しろ!お妙さんを懸けて!」
『いやいやいやいや、近藤さん。それはまずいって。さすがにそれはまずいって』
「止めるなよ、海。これは一人の女性をかけた男同士の闘いだ」
『そこまですることは無いだろう?お妙さんの許嫁……らしいんだからもう諦めなって』
なんとか決闘だけは止めさせようと説得を試みるが、近藤は「決闘をするといったらする!!」と駄々っ子のように地団駄を踏む。
『うわ……めんどくさ……』
「海くん、ちょっと就職先はきちんと考えた方がいいよ。なんなら今からでも万事屋に来た方がいいんじゃない?」
『遠慮しとく』
決闘をするまで屯所に帰らないと喚く近藤に海はお手上げの状態。土方を呼んで連れて帰るのを手伝ってもらおうかと携帯を取り出した時、銀時がめんどくさそうな顔をしながら決闘を了承した。
『付き合わなくていいんだぞ?』
「やれば気が済むんだろ?だったらサッとやって終わらせればいいんじゃね?」
『そんな簡単に……』
「お前だってこんな茶番にもう付き合ってらんねぇだろ」
『そりゃまあ』
「だからとっとと終わらせるぞ」
この件が片付くのであればそれに越したことはないのだが、そのために銀時が巻き込まれるのは釈然としな
い。
「すぐ終わらせるから。ね?」
『……わかった』
そう簡単に納得できる訳もなく、とりあえずというふうに一応頷く。そんな海に銀時は苦笑いを浮かべた。
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