第4幕
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海が意気消沈している間に総悟は屯所へと先に帰った。残っていた団子を食べていた近藤が何かを思い出して口を開く。
「そうだ!海、少し相談にのってくれないか?」
『相談?俺なんかで良ければ』
「俺好きな人ができたんだよ」
『……はい?』
「だから、好きな人!」
『は、はぁ……』
初恋を実らせたかのように頬を赤く染める近藤に鳥肌が立つ。あまりにも似合わなさすぎる。
聞くと言ってしまった手前、今更やっぱり無理というのは良くないと思い、近藤の話に耳を傾けていたのだが、段々と雲行きのおかしい話になっていく。
「俺のケツ毛事愛してくれる菩薩のような女性なんだ……。俺はあの人じゃないとダメなんだ」
『は、はぁ……ケツ毛ごと……』
なんでそこにケツ毛が出てきたのかは知らないが、とても器のでかい人なんだなというのはわかる。近藤のケツ毛ごと愛するなんて相当だ。海ならまず付き合う前にケツ毛を処理させる。というかこんなゴリラみたいな人とは付き合わない。
「それで、結婚……してくれって」
『近藤さん……その相手の方とは何度か会ってるのか?』
「いや、初めて会ったんだ!一目惚れだ!」
『それで求婚したのか。順番間違えすぎて何も言えねぇんだけど』
「俺にはお妙さんしかいねぇんだ……お妙さんじゃないと……!」
『ケツ毛ごと愛してくれる人はそのお妙さんしかいない……と?』
「あぁ。だが……」
そこで近藤は区切って一気に落ち込む。その落ち込みようを見れば誰でもわかるだろう。あぁ、振られたなと。
「きっと照れているんだろうな!顔面にストレートパンチを食らったが、俺は諦めんよ!」
振られて落ち込んでいるのかと思いきや、近藤は何も気にしていないと言った感じに豪快に笑った。
振られた所ではない。相手から完全に拒否され、しかも暴力まで受けていた。そもそも初対面の相手に求婚すること自体がおかしいのに近藤はそれにすら気づいていない様子。
『(恋は盲目といったか)』
盲目どころか考えることまでやめてしまっている。ガハガハ笑う近藤に海はそっとため息をついた。
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