第4幕
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団子屋に着くと、空いている席に座り早速店員に注文する総悟。店員さんにお土産用の団子をいくつか頼んでから海も総悟の前に座った。
「久しぶりですね。こうやって団子屋に来るなんて」
『そうか?総悟はいつも団子屋に居そうなイメージだけど』
「そんなことはありやせんよ。俺はいつだって仕事してます」
『そうか。じゃあ、今度から俺のところに来る書類を総悟の方に回そうかな』
「書類は専門外でさぁ」
『書類整理も仕事の一環だ。現地での攘夷浪士共の相手も仕事だけど、そのあとの始末書や損害賠償請求の計算やらなんやらもきちんとこなして、仕事をやり終えたということになるんだよ』
「……海さんは実戦もデスクワークも両立出来ていいですねぇ」
『全部近藤さんが教えてくれたことだよ。まぁ、実戦に関しては……』
そこで区切ってしまったことにより総悟が訝しげな顔で海を見る。まずい、何か別のことを言わなくては。実戦なんて近藤には教えて貰っていない。
そりゃそうだろう。
実戦は戦争で学んだもの。攘夷志士として動いていた時に身につけたものだ。そんなことがバレれば真選組にいることどころか処刑されかねない。さて、どうやってこの話をはぐらかすか。
『まぁ、実戦なんて見てればいつの間にか身につく──』
「あれ?海と総悟じゃないか?」
適当に言って別の話題に移せばいいかと考えついて口を開いた海たちにかかる声。声のした方に顔を向ければ、こちらに向けて豪快な笑みを向けている近藤と目が合った。
そういえば今日は非番だったか。着流し姿の近藤を見て疑問に思ったが、すぐに思い出して納得した。
『近藤さん、どうしてここに?』
「いやぁ、ちょっと散歩してたら海と総悟の姿が見えてな。美味しそうに団子食べてたからなぁ!」
ガハハ!と陽気に笑う近藤。
ちらりと総悟を見遣れば、完全に総悟の意識は近藤の方へと向いている。これなら深く探られることはないだろう。その事にホッと胸を撫で下ろしながら海は近藤にそっと感謝した。
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