第28幕
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「だから、社長に会わせてくれって言ってんだよ」
赤ん坊のオムツを替えてからビルへと入る。当然、事前に連絡など入れている訳では無いから受付嬢に断られたが。
『なんだこの音……!』
ビルの中に響く爆音。その後に揺れるビル。その混乱に乗じて銀時と海はエレベーターへと乗り込み上階を目指した。
『なぁ、銀時』
「あ?」
『こいつの親がもし……もし本当にこいつを捨てたのであれば……』
「……海。そんなこと考えんな」
『……だな。悪い』
「謝んな。それよりも、もう少しで着くぞ」
エレベーターのランプが屋上へと着く。最上階のナンバーが点灯し扉が開かれる。1番に目に飛び込んできたのは、攘夷浪士達に斬られようとしている新八と神楽。
『新八!神楽!!』
「海!下がってろ!」
グイッと銀時に肩を押されてエレベーターの奥へと追いやられる。銀時がエレベーターを出て、新八と神楽を守るために木刀を振るう。迫ってきていた攘夷浪士達はたった一太刀で倒れた。
『大丈夫か?2人とも』
「海さん!来てたんですか」
『この赤ん坊の親がいるかもしれないって聞いてな』
そう言ってちらりと近くにたっていた女性へと目を向ける。女性は俺の腕にいる赤ん坊を見て酷く安心した顔をしていた。
『ほら、ちゃんと抱いててやれよ』
「あ……あぁ……」
女性の腕の中へと赤ん坊を移動させる。赤ん坊は女性を見て手を伸ばす。
『よかったな。ちゃんと愛されてるよ』
赤ん坊を大切そうに抱きしめる女性を見て笑みが漏れる。本気で捨てたわけでないというのがわかって、海もほっと胸を撫で下ろしていた。
孫を手にすることが出来なかった爺さんが悔しそうに顔を歪める。だが、それもすぐに不敵な笑みへと変わる。
『銀時……なんか来てる……』
「なんだ?なんか探知したのか?」
『その金属探知機みたいな言い方やめろよ。てか、お前も気配ぐらい読めよ』
「無理ですー。銀さんは海の事しか考えてないから。他のやつのことなんか考えてらんないから」
『とりあえず後で殴るわ』
銀時と話している間に顔を出した男。
それは先程、攘夷浪士に襲われた時に道を譲った男だった。
「やァ、またきっと会えると思っていたよ」
「てめぇ……あん時の……目が見えなかったのか?」
「今度は両手が空いているようだねぇ。それに……」
誰かを探すように頭を振る似蔵。その顔がピタリと止まってニヤリと笑う。
「心置き無く殺り合えそうだ」
その言葉は海へと向けて飛ばされる。これに気づいた銀時はすぐに海の前へと立ち、壁となった。
「銀さん、気をつけてください!そいつは居合い斬りの達人です!絶対に間合いに入っちゃダメですよ!」
似蔵と退対峙する銀時に新八が声をかける。きっとその目でこの男の剣技を見たのだろう。その声はいつにもなく真剣だった。
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