第28幕
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「おやおや、あたしらよりも懐いてるじゃないか」
『そうですか?』
「あぁ。こりゃあんたに任せて正解だね」
新八と神楽に連れられてお登勢さんの店へと入ると、そこには項垂れる銀時と銀時によく似た赤ん坊が色んな手にたらい回されて泣いているところだった。
銀時が泣き止まない赤ん坊を掴んで海へと手渡す。海は戸惑いながらも赤ん坊を泣き止ませる為に、背中を優しく撫でながら店内をうろうろ動いた。
そんなことをしていたらいつの間にか赤ん坊は海の服を掴んだまま眠ってしまった。
『おい、銀時。お前父親ならしっかり面倒みろよ』
「だから人の話を聞けっての!こいつは俺のガキじゃねぇ……と思う」
『おま……そんな曖昧な答えなのかよ』
「いやいやいや、ヤッてないよ!?ここ最近はヤッてないよ!?なんせ海くんをオカzぐふっ」
『黙れ』
銀時の言葉の続きを聞いてはいけない気がして、鳩尾へとグーパン。腹を押さえてしゃがみこむ銀時を睨む。
「でも、この子どうすればいいんですかね……」
『このままはまずいだろう。この子の母親を探さねぇと』
海の腕の中ですやすや眠っている赤ん坊の頬をつつく。赤ん坊特有の甘い匂い、そしてつついた頬は柔らかい。自然と笑みが零れてくるのを感じた。
「海さん……お母さんみたいですね……」
『なんだ?新八も殴られたいか?』
「ご、ごめんなさい!!」
『おい、早く探しに行くぞ』
座り込んでいる銀時に声をかけて立たせる。面倒くさそうに歩く銀時の背中を押して、海達は店から出た。
「あぁやってみると夫婦みたいじゃないか」
「坂田さん尻に敷かれるタイプですね」
「そりゃそうだろうよ」
海達が出ていった後にそんな話が店内で行われていたなど本人たちは知らない。
『ほんとに心当たりないのか?』
「お前まで俺を疑うのかよ!」
『疑ってはいねぇけど。それにしても似すぎだろ』
起きてしまった赤ん坊をあやしながら江戸を歩く。赤ん坊は海に遊んでもらおうと手を伸ばし、海は伸ばされた手に自分の指を掴ませ揺らす。
そんな海を見つめる銀時。
ほんとに母親みたいだなと。こいつが一緒に面倒見てくれるならガキの一人や二人くらい……なんて考える頭を横に振った。
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