第27幕
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映画館を出てから、土方は逆の逆を行くぞと海の腕を引っ張る。
もうどうにでもなれと海は諦めた。
連れていかれたのはサウナ。
なんであんだけ暴れたのだから汗を流そうと思わなかったのか。なにか?もっと汗を流したいのかこいつは。なんて文句を言いながら海も渋々、土方と共にサウナへと入っていった。
結局、その場にも銀時がいたが。
『……お前ら本当は仲がいいだろ』
「何言ってんだよ海。こいつが銀さんのこと大好きすぎるんだよ。俺は海のことしか見てねぇ」
「何言ってやがる。てめぇが俺のことが大好きすぎるんだろうが。残念だが海はてめぇのことなんか見てねぇんだよ、タコ」
「あ?何か?嫉妬か?土方くーん、男の嫉妬は醜いよー?女の嫉妬もやばいけど、男の嫉妬はかなりやばいよー?」
「てめぇこそ嫉妬してんじゃねぇよ。海がお前を見てねぇからって、自分の良いように妄想してんじゃねぇよ。妄想してる男ほどやべぇやつはいねぇよ」
「何言ってんだよ。男は日々妄想してこその人生でしょうが。あんなことやこんなことで頭の中いっぱいにしてそれを勢いよく噴き出すんだよ。それが男の生きがいでしょうが!」
「知るかそんなもん!てめぇの妄想にこいつを巻き込むんじゃねぇ!」
なんだと!?
やんのか!?
そんなのが聞こえてくるがもうどうでもいい。
少し離れたところで座っている海は2人とはまったくの無関係ですという雰囲気を出していた。
『……俺、何しにきたんだろ……』
汗が頬を伝って落ちる。両手を後ろについて天井を見上げる。今日一日無駄にしたような気がしてならない。
「海くん!!その格好やめなさい!エロいから!ただただ、エロいから!」
「海ィ!てめぇ、ちゃんと座れ!変な座り方すんじゃねぇ!」
『はぁ……なんで俺が怒られるんだよ……もう意味わかんねぇよ……助けてペドロ』
ギャーギャー騒いでいる2人を無視して海は立ち上がる。シャワーを浴びてスッキリしよう。もうあいつらは放って帰ろう。もう屯所で休もう。
ため息をつきたくなるのを我慢して、海はドアノブを回す。ガチャガチャとノブを回すが一向に開くことの無いドア。
『……は?』
暑くてしんどい頭で必死に考える。ドアが開かないなんて有り得ないだろう。
未だに言い争っている銀時と土方。
声をかけたくはないが、これは声をかけざるを得ない。
『やっぱやめよ……』
銀時たちの方へと振り返ると、サウナの気温を上げたり、筋トレをしているのが目に映った。
『もうやだ、こいつらぁ』
ドサッと椅子に座って汗を拭う。
こいつらに付き合っていたら身が持たない。
『まじ助けてペドロ』
朦朧とする意識の中、海が助けを求めたのは映画に出てきたデブ男だった。
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