第27幕
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食事を済ませて店を出る。
間に挟まれていた男はぐったりとした状態で、店を出ていった。
『…………』
「海?どうした?」
『いや……なんでもない』
店内で感じた殺気。それは自分へと向いていたものではなかったからすぐに気づかなかったのだが、確かに誰かが土方を殺そうと目論んでいた。
そう思って早々に店を後にしたのだが、誰かが後ろから着いてきている気配もない。
普段から気配などを気にしすぎているせいで、敏感になりすぎているのかもしれない。ただの勘違いかと考えすぎな思考を止めた。
『次、どうするんだ?なんか買い物にでも行くか?』
「いや、この間必要なもんは買っちまったからな……」
江戸を歩きながら、暇つぶしに何かないかと探す。そこで土方が見つけたのは映画。
となりのペドロと書かれた看板がでかでかと出されていた。
「最悪な気分を変えるのには物足りねぇがな」
『そんなにあいつ嫌いかよ』
「生理的に合わねぇ。よくお前はあいつと関わっていられんな」
『慣れた』
そう言って海は映画のチケットを買いに受付へと行く。その後を静かに追う土方。
『ペドロか……ペドロ』
「なんだ?なんかあんのか?」
『いや、なんもないけど。どんな内容なんだろうなと』
「さぁな。このおっさんがなんかやらかすんだろ……って、お前それ全部食うのか?」
『うん?』
土方が映画のあらすじを読んでいる間に海は両手に色々と手にしていた。飲み物はいいとしても、入れ物のデカいポップコーンに長いソーセージ。紙に包まれたドーナツまでもが抱えられていた。
『いやぁ、メニュー見てたらどれも美味しそうで』
「団子屋に行って食えばいいだろが!」
『団子屋にポップコーンはない』
「おま……ったく、映画館に何しに来てんだよ!」
『ポップコーン食べに』
「帰れ!!今すぐに!」
『仕方ねぇなぁ』
そう言って海はポップコーンを土方に渡して本当に帰ろうとする。土方は驚いて海の肩を掴む。映画館の中へと入り、席に海を座らせてからため息をついた。
『なんだよ、帰れって言ったのお前じゃねぇか』
「わかった、わかったからもう何も言うな……」
土方の隣に座る海は既にポップコーンへと手を伸ばして食べていた。
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