第26幕
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そして松平が指定してきた日。
場所は大江戸遊園地。家族連れで賑わう中をむさ苦しい男達が歩く。
この日は近藤も土方も非番をとって来ていた。なにかと忙しい身分の近藤と土方がわざわざ非番を取らなくてはいけないほどの案件。
今日は何が起こるのかと土方達は身構える。
『……あれって栗子ちゃん……?』
遊園地の入口に立っている見知った女の子。松平の娘の栗子だった。何度か海は栗子と面識があり、その度に付き合って欲しいだとか、デートに行こうなどと誘われていたのだが、全て断り続けている。
栗子を発見してから1時間後。栗子の元へと男が近づく。新手のナンパかと海はじっと見つめる。だが、男と栗子は親しい間柄なのかとてもラフな会話をしていた。
1時間も待たされていたのにも関わらず、栗子は男に今来たばかりだと微笑んだ。
「野郎……ふざけやがって。栗子はな、てめぇがくるのを1時間も待っていたんだよ。手塩にかけて育てた娘の1時間……てめぇの残りの人生できっちり償ってもらおう」
そう言って銃を構える松平。遅刻に厳しい人が世の中にはいると聞いたことはあるが、ここまでなのか。しかも、今回の遅刻の理由も電車の遅れによるもの。本人が寝坊したとかならまだしも。
まぁ、女性を待たせるというのはあまり良くないものだが。
「冗談じゃねぇ。こっちは仕事休んでまで来てやったってのに。娘のデート邪魔するだぁ?やってられねぇ、帰るぞ」
『え、俺も?』
土方にグイッと腕を引っ張られて帰らされそうになる。だが、もう片方の手を総悟に引っ張られることによって、俺の体は動きを止める。
暫し土方と総悟の睨み合い。
そんな時、松平がスナイパーライフルを取り出し、邪魔するのではなく彼氏自体を抹殺するのだと言った。
それに乗っていく近藤と総悟。
松平の後を追うように走っていってしまった近藤と総悟を見て呆然と固まる海と土方。
「なんなんだあいつらは……」
『心配なんじゃねぇの?娘の彼氏がどんなやつなのか。見た目があれじゃ確かに不安にもなるだろ。箱入りの一人娘なら尚更な。あとの二人はノリだと思うが』
「益々やってらんねぇよ!俺は帰る」
『なぁ、土方』
帰ろうとする土方の背に言葉を投げかける。土方は足を止めて面倒くさそうに振り返った。
『俺、遊園地来るの初めてなんだよな。少し付き合ってくれないか?』
「ガキかてめぇは!!!」
遊園地を見てソワソワしている海を見て土方はクワッと目を見開いて叫ぶ。
『だって気になるじゃねぇか!』と目を輝かせて言う海に、土方は頭をガシガシとかいてから海の手を掴み遊園地へと入っていった。
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