第25幕
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『どうすれば……』
本当に国一つ破滅させかねないほどの威力を持つビーム砲。あれを次撃たれたら避けることなど難しいだろう。
マムシは動かない真選組を見て、バカにした態度で煽り始めた。
「どうぞ撃ちたきゃ撃ってください」
「江戸が焼けようが、煮られようが知ったこっちゃないネ」
『新八……神楽……』
「海さん!大丈夫ですか?」
『あぁ……でも、なんで2人がここにいるんだよ!』
「心配で来ちゃったアル」
『お前ら……』
縄で縛られて動けない銀時を庇うように立っている2人。マムシが子供が出てくるような場所ではないと言うが、2人は断固としてその場から離れようとはしなかった。
そんな2人をみて銀時は何故自分をここまでして助けてくれるのか疑問に思い始めた。記憶がある時に自分は色んな人に迷惑かけてきていたはずなのに。この2人にまともに給料を支払っていなかったというでは無いか。
それなのにも関わらずこうして守ってくれている。
そしてその2人を守るように立った男。
彼もそうだ。あの時、自分に幸せになれと言ってくれた。こんな僕に人生を謳歌しろと。
「どうして……どうして僕のことをそんなに……!」
『そんなん決まってんだろ?』
彼がゆっくりと振り返る。その光景がある記憶とリンクするようにフラッシュバックする。今の黒い服とは違う服。裾が長く、彼の膝くらいまで隠れる上着を来て、左腕に白いハチマキを巻いた姿の彼が、今の彼と同様に振り向く。
『銀時、お前が大切な存在だからだよ』
綺麗に微笑む海を見て銀時は全てを思い出した。自分の前に壁として立ってくれている人達。そんな彼らの姿を見て、奥底に眠っていたものが。枝分かれしていた記憶が全て繋がっていく。
『ということなんで。こいつを撃たれるわけにはいかないんだよなぁ。リストラハゲ侍さんよ』
「俺がいつハゲた!!上等だ!江戸を消す前にてめぇらから消してやるよ!」
「私たち消す前にお前消してやるネ!」
神楽を皮切りに皆がマムシへと走る。
その後ろ姿を見つつ、立ち上がる男へと声をかけた。
『ほら、そろそろ行ってやれよ。随分待たせたんじゃねぇか?』
「そりゃ、悪いことしちまったな」
『2週間近くも泣かせたんだからな。多少のわがままは聞いてやれよ?』
「はいはい。ねぇ、海くん」
『あ?』
「それは海くんにも適用したほうがいいの?」
そう言って海の顔を覗き込む銀時。
『……さぁな。好きにしろよ』
「仰せのままに、お姫様」
『死ね』
新八たちを追うために銀時が走り出す。
新八が持つ木刀を手にして、マムシのビーム砲を叩き割るのを見てから海は近藤に肩を貸して歩き出す。
『まったく、世話のかかる奴らだな』
ため息をつきながら夕日を眺めた。
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