第25幕
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「撃ったー!撃ちやがったよあいつら!」
泣き叫ぶ山崎が必死に叫ぶ。
総悟が放った大砲は銀時の足元ギリギリの部分に当たった。
「なんなんですかあの人たち!ホントにあなたたちの仲間なんですか?!」
仲間だと言うならなぜ撃つのか。
本当は敵ではないのかと疑問を抱きながら銀時は撃った相手の方を見る。
「あれは……」
なにやら揉めている黒服の集団。その中に最近知った顔が紛れ込んでいるのが見える。タバコをくわえた男に片腕で抱かれているように見える人物。あの日名前を聞きそびれてしまったから分からないが、確か幼馴染だと言っていた。
彼はこちらを……いや、自分を見ている。
心配そうな顔で。
「……何だこの気持ち……すごくモヤッとする……」
彼がこっちを見ていることに嬉しさはあるが、なぜかそれと共に胸にチクリとした痛みを感じる。あの男に抱えられているというのが気になって仕方ない。
「なんで僕はそんなこと……」
頭を振って煩悩を払う。そうだ、今はとにかくここから脱出しなくては。危機的状況には変わらないのだから。
「とにもかくにも、今は逃げるのが先決だ!」
記憶が戻ったゴリさんがジミーを連れて逃げようとする。それを引き止めるジミー。
「局長!待ってください、まだ旦那が……」
「いい。行ってくれ、ジミー、ゴリさん。早くしないと連中が来るぞ」
動けない銀時が近藤にそう伝える。近藤は銀時を見て暫し考えてから舌打ちをした。
「くそったれ!普段のお前なら放っておくところだが、坂田さんに罪はない。それに海のあんな顔見たら助けざるを得ないじゃねぇか!」
「海……さん?」
記憶のない銀時にとって聞きなれない名前が近藤から出てくる。海さんとは誰なのか……なんとなく予想はつくが、確証はない。多分、あそこで見ている彼のことなのだろうと解釈をした。
近藤が必死に銀時の板を引き抜く。力が入りすぎて勢いよく屋根から転がり落ちる。
近藤たちが逃げ出したことにより、土方が大砲を撃つように発射命令をくだす。大砲は建物へと当たるだけで、相手方の武器には当たらなかった。
『まずい……!』
「ちょ、海!てめぇ、待ちやがれ!」
近藤たちの元へと発射されるビーム。海は3人を守るためにと走り出す。
『近藤さん!』
「海!」
『こんな物騒なもん使うんじゃねぇよクソが!』
刀を引き抜いて、近藤に当たりそうになっていたビームを切り裂く。近藤はそんな海を見て「ええええ、ビームって斬れるの!?斬れちゃうの!?」と驚いていた。
一撃は防いだが、次のビームが近藤達を襲う。近藤が身を呈して2人を庇い倒れた。
『銀時!近藤さん!』
駆け寄ってくる海に銀時は胸が跳ねるのを感じる。この感情は知らない。なぜ幼馴染にこんな感情をもっているのか。ましてや相手は男なのに。
『無事か!?』
「え、ええ。大丈夫です……でも、ゴリさんが!」
『くそ……銀時、ちょっとここで待っててな』
そう言って海は近藤の元へと駆け寄る。必死に近藤へ声をかけている海の姿をみてキリキリと痛む胸。
「……いかないで……」
そんな言葉が口から零れ落ちた。
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