第25幕
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『おうおう、これは派手にやってんな』
工場から多数の爆発。それにより空は黒煙に染まっていた。巻き上がる砂埃と、爆発の衝撃で飛んでくる破片が民間人に当たらぬようにと立ち入り禁止テープを辺りに張る。
『んで、ここからどうやって山崎を見つけてくるんだ……って、大丈夫か?』
「あぁ……」
総悟が危ないから下がってと一般人に声をかけている間に、飛んできた石が土方の額へとぶつかる。どろりと流れる血が右目にかかるが、土方は気にせず工場を眺めていた。
『土方、ちょっとそれは見た目が痛そうだからこれで拭いてくれ』
「見た目だけじゃなくてほんとにいてぇんだよ!!!」
『あだっ』
すぱーんっと頭を引っぱたかられ、差し出したハンカチをぶんどるように受け取る。
適当に血を拭う土方にため息を零し、今度は海が土方からハンカチをぶんどる。
『きちんと拭けよ。雑菌入ったらどうするつもりだ』
土方の前髪を左手で払い、右手でハンカチを持って優しく拭く。その間、土方は顔を赤くしていたのだが、海は血によって汚れたか。くらいにしか思っていなかった。
『んで、どうすんだ?聞いたところによると、中に山崎以外にも近藤さんもいるそうじゃないか。なんでこんなとこにいんのか知らねぇが……この爆発の中だ。怪我してたら厄介だし……』
「おいおい、山崎1人なら見捨てようかと思ったが、近藤さんがいたんじゃそうもいかねぇな……」
「土方さん、海さん。俺、笛を家に忘れたんでちょっと取りに行ってきまさァ」
『……笛?』
「あぁ、二度と戻ってくるな」
パトカーへと乗ろうとしている総悟の腕を引いて戻す。現実逃避はまた今度な。頼むから。と総悟に言うと、海さんの頼みなら仕方ありやせん。と返された。
「ったく、情けねぇ。もういい。海、俺についてこい。あとのヤツらはそこで待ってろ」
『総悟はいいのか?』
「ついてくる気がねぇやつはいらねぇ」
『あっ、そう』
土方の後ろについて行くように歩く。ふと、後ろへと振り向くと総悟がこちらを見てそわそわしていた。
『総悟、一緒に来るか?』
「いや、えっと……海さんが行くなら……あー、やっぱ遠慮しやす」
『どっちだよ……』
「だって、海さん。あれ見てくだせぇ」
そう言って指差す方向へと目を向けると、でかい大砲みたいのが建物を突き破って出てきた。
『……土方、俺屯所に眼球忘れたみたいだから取りに行ってくるわ』
「おめぇのその二つの目はなんだよ!!飾りか!?飾りなのか!?」
『これは……義眼だ』
「初めて知ったぞおい!!」
『冗談に決まってんだろ。てかどうすんだよ。あそこ、山崎と近藤さんと……銀時?』
大砲の近くに縄で縛られている3人。山崎と近藤は知っていたとしても、なぜこんなところに銀時がいるのか。まだあいつは記憶が戻っていないはず。どうして。
『銀時……!』
「海!迂闊に近づくな!」
すぐに助けに行こうとした海の腹に腕を回して止める土方。人質として向こう側にいるのを忘れるなと耳元で囁かれるように言われて我に返った。
『悪い……』
「別に。とりあえずこっちが手出ししなければ向こうも出してはこねぇだろ」
そういった矢先に総悟が近藤たちがいるところへと大砲をぶっぱなした。
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