第3幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
完全密着!武装警察 真選組24時!!
という番組に出演するために隊士数名と土方と総悟、海で攘夷浪士の検挙へと行く。
いつものように突入していく真選組隊士達をカメラスタッフが必死について行く。廊下では早速、隊士達が体を張って攘夷浪士を捕まえていた。
つか、なんでこんなところで攘夷浪士たちは宴会みたいなことをしているのだろうか。少しは自分たちの立場を理解しろと言いたい。こんな大っぴらにやっていいようなことではないだろう。
過去の自分たちの行いと今の攘夷浪士達のやり方を見て頭を抱えるしかなかった。
以前、桂に文句を言われたことを思い出し、海は捕らえられた攘夷浪士たちを冷ややかな目で見つめた。
彼らには志すものがないのだろうか。かつての海のように命をかけてでも成し遂げなければならない使命感が。
隊士一人に対して逃げ惑う彼らはそこらの盗人と変わらない。そんな奴らを束ねている桂は何を思っているのか。一番変わったのは桂の方で自分は何も変わってなどいない。むしろこのぬるま湯の世界に浸かって満足しているのは──
「あの……」
『はい?』
そばに居たカメラスタッフが海にカメラを向けたまま小声で声をかけてきた。
どうやらこれから海の方の撮影をするらしく、普段通りの仕事をして欲しいと頼まれた。
普段通りに仕事をしたら放送事故になるのではないかと心配になったが、海一人が気にしたところでどうしようもない。なんせ真選組には問題児が二人居るのだから。
「ダメですよ、逃げたりしちゃ」
そう言いながら建物から出てきたのは毎度お馴染みのバズーカを持った総悟。怯えて座り込む攘夷浪士に向けてバズーカを放ったのだろう。あたりは煙で包まれていた。
『……評判ガタ落ちだな。元からなかったようなもんだけどさ』
カメラを向けられているのにも関わらず、面倒くさそうな顔で仕事をする総悟。近藤がいない中での奴らの行動は好き勝手なものだ。
『あぁ、危ないのでここから先には立ち入らないようにしてくださいね』
撮影だと聞いた野次馬が中を覗こうとして立ち入り禁止テープを越えて来ようとするのを静止する。少しでも真選組のイメージアップを図るために海はやんわりと微笑みを浮かべて。
「海さん、それは逆効果ですぜ」
『なんのことだよ』
「まったくこれだから無自覚は困るんですよ」
溜息をつきながらやれやれと頭を振る総悟。いや、ため息つきたいのはこっちだから。
困惑している海の後ろで野次馬として見に来ていた女性陣は愚か、そこいらの男どもまでもが顔を赤くして自分のことを見ていたなど知らなかった。
.