第24幕
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「銀ちゃん……ごめんね」
雨音が響く部屋の中でぽつりと神楽が零した。珍しく落ち込んでいる神楽と新八。
その原因は昨晩、銀時が2人に見張っていて欲しいと頼んでいた鬼が何者かによって殺害されたことによるものだった。
二人に罪はない。むしろ、自分が駆けつけられない中よく頑張ったものである。それでも、結果が結果だから二人は落ち込み塞ぎ込んでいた。
「お前らのせいじゃねぇよ。野郎も人斬りだ。自分でもロクな死に方できねぇのぐらい覚悟してたさ」
少しでも2人の気分が晴れるようにと苦し紛れな言葉を吐く。それでも子供たちの顔色は悪く俯いたままだった。
海ならもっと上手くフォローするんだろうが、生憎この部屋には海はいない。
いるのは海が可愛がっている弟分の総悟だけ。
「旦那、妙なもんに巻き込んですいませんでした。これ以上、関わってもロクなことなさそうですし。またあんたを巻き込んだら海さんにどやされやす。この話はこれっきりで……」
そう言いかけたところで戸が開く音が聞こえた。こんな時に誰が来たのか。音のした方へと総悟が目をやると、数人の子供たちが浮かない顔で立っていた。
確か彼らは海と一緒にいたはずだ。なぜこのような場所にいるのか。
「てめぇら……海さんと一緒に居ろって言っただろう。ここにはなんで来たんだ」
「うん?」
総悟の声に反応して銀時は振り返る。
鬼が世話していた子供たちが銀時の姿をみて「にいちゃん」と呟いた。
「にいちゃんに頼めば何でもしてくれるんだよね?何でもしてくれる万事屋なんだよね?」
きっと銀時があの家を出る際に渡した名刺を見てここへと来たのだろう。彼らが万事屋をきちんと読めたことには驚いたが、それはすぐに打ち消される。
脳裏に過ぎる幼馴染の姿。きっと彼らに一言二言何か言ったのだろう。本当に、あいつは子供には弱いななんて思いながら静かに口角を上げた。
「お願い!先生の敵を討ってよ!」
子供たちは泣きながら銀時に懇願する。子供らしからぬ発言に神楽と新八が戸惑うが、子供たちの涙を見てしまえば何も言えない。
自分たちをここまで育ててくれた親が突然いなくなった喪失感を二人は知っているからだろう。
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