第23幕
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「仲直り出来たのか?」
『まぁな』
「そりゃよかったな」
『悪かった』
総悟と話している間に土方と銀時もレストランから出てきて、海と総悟のやり取りを少し離れたところから静かに見ていた。
総悟と海の顔に笑みが見えたのを見計らって2人が近づいてきた。
『銀時、お前……』
「何もしてねぇのは確かだ。だが……あそこの鬼はもうもたねぇだろうな」
『そうか』
一言呟く海。落ち込んだ表情を浮かべた海を見て、これは何か知ってるなと悟る。銀時はおもむろに海の頭へと手を伸ばしてその黒髪を乱雑に撫でた。
『何すんだよ!』
「別に。ただ、考え込みすぎるなよ。お前の悪い癖。周りばっか見すぎなんだよ」
『……何も言ってねぇだろ』
「顔に書いてある。あの闘技場の鬼が心配だって。お前、あそこにいったんだろ。ガキどもがいるあの家に」
『なんで知って……!』
「あそこのガキどもがこれを持ってたからな。お前これよく作ってただろ。ガキの頃に」
そう言って手渡されたのは折り紙の鶴。いくつもの鶴が繋がって輪になっているものだった。
それをみた海はハッと息を詰める。その鶴は確かに海が作ったもの。
子供の頃に世話になった先生に何度も教えて貰って作れるようになったもの。1枚の紙で複数の鶴を折る連鶴というものである。手先が器用な海が鬼の家に訪れた際に子供たちに作り置いていった。なぜそれを銀時が持っているのかは聞かなくてもわかる。銀時もあの鬼の家へと行ったのだろう。
『それ……』
「綺麗なお兄ちゃんに作ってもらったんだってよ。大層、大事に持ってたわ。これを借りてくるのだって骨が折れたんだからな」
銀時が鶴を少し貸してくれと子供たちにお願いしたら、子供たちは銀時を突き飛ばしたほど大事そうに守っていた。
銀時は子供たちに、これを作ったやつにもう一度会わせると約束をして借りてきたもの。それでも渋々という顔で渡されたのを覚えている。
『……鬼はどうするつもりだって?』
「あいつはもう斬れねぇだろうな。今夜あたりにでも動くんじゃないか?」
『なら……!』
「お前は手を出すな。神楽と新八が見張ってるから今は大丈夫だろ」
『2人に何かあったらどうすんだよ!』
「あいつらはそんなに弱くねぇよ。よく知ってるだろ?お前も」
『それはそうかもしれないけど……!』
「信じてやれよ。あいつらを」
そう言って銀時は柔らかい笑みを浮かべた。まだ納得いかないという表情を浮かべる海に銀時は、ほんとにこいつは心配性だなと溜息をつきたくなった。
その時視界に入った顔。
「「…………」」
「(あらら、完全にあのお二人さん忘れ去られてるな)」
ふと視線を感じてそちらへと目を向けると、土方と総悟がジト目でこちらを見ていた。完全に蚊帳の外状態な二人を見てほくそ笑む銀時。
そんな銀時に土方は青筋を浮かべながら睨んでいた。
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