第23幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「どうするつもりだ?」
「……どうするもこうするもありやせんよ。ありゃ完璧に嫌われてます」
「どうだろうな」
海は総悟から手を離すと、カツ丼代だと言ってテーブルの上にお金を置いてレストランを出ていった。
総悟は海の行動に頭が追いつかず、力なくソファに座った。
「旦那、巻き込んですまねぇ」
「別に俺がついていっただけだからな。お前は悪くねぇよ」
「いや、今回はうちのもんが悪い。あんたらを巻き込んだのは総悟のせいだ。悪かったな」
「うわ、気持ち悪!お前が素直に謝るとか気持ち悪!」
「てめぇ、人が謝ってやってんのにその態度はなんだ!」
「それより、どうすんだよ。あれはかなりご立腹だぜ?」
ある程度のことならば海はすぐに水に流して何も無かったように振る舞う。だが、今回の1件は相当頭に来てるのか、土方と銀時に何も言わずに海は出ていってしまった。
「なんで……あんなに海さん怒ってるんでさァ」
「そりゃお前当たり前だろ。お前が変なことに首突っ込んでることに心配してのあれだろ」
「でも、海さんだっていつもそうじゃありやせんか!この間だってふらっと出かけたかと思ったら背中にあんな傷作って帰ってきて……結局、俺達にはなんも説明してくれやせんし!」
「お前、あいつの性格知ってんだろ?」
「…………」
「あいつにとって自分のことなんか二の次なんだよ。何度言ったってそこは変わりゃしねぇ。自分の周りが傷つこうものなら、自分がどうなったとしても守ろうとする。あいつはそういうやつなんだよ」
「でも……」
「はぁ……。お前さ、あいつがどんだけ心配してたかわかってるか?」
「海さんが……?」
「そう。どうせ普段からお前のこと甘やかしてんだろ?ここに来た時のお前の態度見てればわかるわ。今回も笑って許してくれるだろうってのが」
何も悪いことをしていないとふんぞり返っていた総悟は、巻き込んでしまった銀時に一言謝るだけで済ませた。そんな態度を見ていた銀時は普段はこれで許されているのかと驚いた。
これは相当海に甘やかされているのだと。なにかやらかしても海がフォローしていたのだ。
だから今回も海が許してくれるだろうと踏んで、総悟は軽く済ませた。それが海の逆鱗に触れるとは露知らずに。
「どうしよう……俺、海さんに……」
「どうするもこうするもねぇだろ。謝ってこい。殴られたり蹴られたりするかもしれねぇけど、それでも謝ってこい」
銀時はめんどくさそうに言って、総悟をレストランから追い出した。
その背中を少し羨ましそうに見つめながら。
.