第23幕
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『休みの日まで仕事か?総悟』
煉獄関近くの路地裏をくまなく探していると、天導衆の手下らしき天人が何人も地に伏しているのが見えた。その中で肩を落として立っている栗頭。
海はその後ろ姿に腕を組みながら声をかけた。
「海さん?なんでこんなところにいるんですかィ?」
『それはこっちのセリフだ。総悟、お前一体何してるんだ?』
「それは……」
『なぁ、総悟』
海はゆっくりと総悟へと近づく。
普段の海の声色と違うことに総悟は気づき思わず後ずさる。
『お前……斬られたいのか?』
暗い路地裏の中で薄らと見えた海の瞳は怒りに揺れていた。
⋆ ・⋆ ・⋆ ・⋆
「……え、なに?この雰囲気」
路地裏から場所を変えて、近くのレストランへと4人は集まる。土方と総悟、海と銀時の並びでファミリー席へと座っていた。テーブルの上にはカツ丼土方スペシャル。
カツ丼の上に大量のマヨネーズが乗せられているのを見て、銀時は気持ち悪そうに眺めた。
「すいやせん、旦那。すべてバレちゃいやした」
申し訳なさそうに謝る総悟。その顔はすぐに引き攣り俯く。銀時はそんな総悟を見て不思議に思ったが、隣に座る幼馴染を見て理解した。
「海くん、何をそんなに怒ってんのよ」
『お前、総悟にふっかけられてんだろ』
「何を?」
『言い逃れするな。正直に話せ』
「わかった、わかったからそんな顔するなよ……怖ぇよ」
あっけらかんとする銀時に海は睨みをきかせる。左目が前髪で隠れているせいで見えないが、見えている方の右目がかなりの威圧感を感じさせた。
そんな海に怖気付く銀時。彼とは長い付き合いがあるが、ここまで怒りを表したのは初めてである。どうしてそんなに怒っているのか。それは何となく銀時は理解している。心配されているのであろう、海に。
その心配が通り過ぎて、怒りに変わっていることも。
「確かにこいつには煉獄関だかなんだかってところには連れていかれたけど、それ以上のことは何もしてねぇよ。な?」
「え、ええ……旦那にはついてきてもらっただけでさァ」
銀時が同意を求めるように総悟へと話を振る。総悟はたじろぎながらも肯定の返事を返した。
『総悟。お前はこいつと一緒に闘技場までいったんだな?』
「へ、へい……それが何か……」
『何か?何かだと?あんな人殺しが金になるようなところにこいつを連れて……お前も一緒に行って見たことが、何かだと?』
総悟の一言に海はブチ切れ、総悟の胸ぐらを掴んで持ち上げる。苦しそうに呻く総悟。その隣にいる土方は一切手を出さずにただ静観していた。
「ちょ、海!お前やりすぎだっての!」
『お前は黙ってろ。言われたからってのこのこついて行きやがって。あそこがどういう所なのかも知らねぇで……』
何かあった時どうするつもりだ。
そう言った海は酷く辛そうな顔をしていた。その顔を見た銀時はそれ以上何も言えなくなり、止めようとした手は海に触れず、そのまま空をさ迷った。
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