第22幕
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総悟と近藤、そしてやっと目が覚めた土方を連れて4人で近くの銭湯へと来ていた。
寂れた銭湯には人っ子一人おらず、貸切のような状態。番台にいるおばさんにお金を払って鍵を受け取った。
「なんかわくわくするな!」
「しねぇよ!ガキじゃねぇんだから!」
楽しそうに笑う近藤に土方は鋭いツッコミ。その額には青い痣が出来ていた。
『うるせぇ。土方の方が騒がしい』
「ぐっ……」
キッと海に睨まれた土方は押し黙る。先程の恐怖が蘇ったのか、身を縮めていた。
中に入ると広々とした脱衣所。渡された鍵の番号を見ながら荷物入れのナンバーを探す。
『ここか』
鍵を差し込んで錠を回し、かちゃりと小気味の良い音が脱衣所に響いた。隊服の上着を脱いで綺麗にたたみ、中へ入れる。それからシャツのボタンを外していく。ズボンの中へと入れていた裾を出してシャツを脱ごうと……した手が止まった。
視線を感じて、ちらりと横にいる人物へと目をやる。
「なんですかィ、海さん。脱がないんです?」
『ならこっちみんなよ。なんでそんな見てんだよ』
「別にみてやせんぜ?それは海さんの勘違いでさァ」
『それなら、いいんだけどよ』
なんか納得いかないが、勘違いだと言われてしまえばそれ以上は何も聞けまい。
シャツを脱いでたたむ。そして上着の上に置いてから、ベルトのバックルへと手をかけた時に誰かが背中へと触れた。
『ひぅっ!?』
「おいおい……背中の傷残ってんじゃねぇの。これじゃお嫁にいけねぇな」
『なっ、銀時!?』
顔だけ後ろに向けると、銀時が半裸の状態で海の背中を触りながら立っていた。傷痕を撫でるように銀時の指が腰の方へとおりていく。
「あらまぁ、海くん。こんな震えちゃって。どうし……えぶしッ!?」
「おい、万事屋ァ。てめぇ、なんでこんな所にいやがる」
ばさりと頭から掛けられる服。ふわりと香った煙草の匂いで、この上着は土方のものだとすぐに分かった。上着から頭を出して声のした方へ見ると、シャツ姿の土方が海を背に守るようにして立っていた。
「海、何もされてねぇか?」
『お、おう?』
「いたたた……ちょっとなんなんだよいきなり」
頭を摩りながら立ち上がる銀時。大方、土方に投げ飛ばされたのだろう。脱衣場の壁に頭を打ち付けて痛そうに顔を歪める銀時が、土方越しに海を見た。その目を真っ直ぐと海が見据えて、瞬時に顔を赤くした。
背中に残った銀時のあの触り方。擽られたせいで漏れた自分の恥ずかしい声を思い出して。
「土方さん、やっぱり海さん旦那になんかされたみたいですぜ」
総悟に腕を引かれる。引かれるがまま総悟の元へと行くと、やんわりと抱きしめられる。土方の上着越しに背中をポンポンと撫でられた。総悟はすでに服を脱ぎ終わっていて、腰にタオルを巻いているだけの格好。
「おい……万事屋ァ。腹切れ腹」
「なんでそうなんだよ!」
「うちのもんに手を出した落とし前つけてもらおうじゃねぇか」
そういう土方の後ろ姿はヤクザそのものだった。
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