第22幕
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なんとか近藤と総悟から引き剥がされるようにして離された海。近藤と総悟から距離を置くように土方の背後へと回り、脇から顔を出している状態。
「土方コノヤロー、海さん返しやがれ」
「お前がこいつを怖がらせたんだろうが」
「海、悪かった!謝るから出てきてくれよ。ほら、これやるから!」
「こいつは犬か!そんなんで出てくるわけねぇだろが!」
ムスッとしている総悟に、海の足元にしゃがみこんでチョコを出す近藤。土方の後ろに隠れている海はどちらにも声をかけずに黙っていた。
「(つか、こいつほんといい匂いすんな)」
後ろから香るふわりとしたもの。思わず鼻をくんっと慣らしてしまうほどいい匂いだった。先程、見回りから帰ってきたと本人は言っていた。しかも、今日はいつもよりも温度が高い。汗だってそれなりにかいただろう。
「土方さん……なんでィ、自分だって気になってるじゃないですか」
「なっ……はァ!?」
総悟の言葉の後に背後から感じていた温もりがスっと消えていくのを感じて振り返る。
そこには帯刀している刀を抜いている海の姿。
「お、おい!!海!今のは違う!」
『何が違うって?あ?土方ァ、てめぇだけは違うと思ってたけど……てめぇも変わらねぇのかよ!!!』
「誤解だァァァ!」
横一線に振られる刀を尻もちをついて避ける。ひらりと目の前に落ちてきた数枚の葉っぱがバラバラに切り刻まれてるのを見て肝が冷える。もし避けるのが遅かったら自分はこうなっていたのかと。
『土方……観念しろ』
「海さーん!その調子でさァ」
「応援してんじゃねぇ!」
『天誅!!!』
「ぎゃあああ!!!!」
土方の頭へと振り下ろされる刀。
頭ギリギリのところで刀の向きが変わり、峰の部分でぶん殴られる。
『ふん……』
気絶した土方を見下げながら海は鼻を鳴らす。刀を鞘へと戻して、部屋へと戻ろうとした海に総悟が声をかけた。
「海さん、シャワーが使えないんでこれから銭湯に行こうと思ってるんですけど、海さんも一緒にどうですかィ?」
『……行く。10分で準備すっから待ってろ』
「へい!」
こちらに顔を向けずに返事をした海に総悟はニヤリと笑う。
「土方さん、ご機嫌取りは上手くやらないとですぜ?」
未だに倒れている土方を見て笑う総悟。
そんな2人を陰ながら見守る近藤は、どこで育て方を間違えたかなぁなんて思っていた。
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