第22幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『は?シャワーが壊れた?』
「あぁ。どうやら隊士の誰かが水道管をぶっ壊したらしい」
見回りを終えて帰ってきた時に土方と出会して、今現在風呂場は立ち入り禁止になっていると言われた。
歩き回って汗だくな状態なのにも関わらず風呂に入れないという鬼畜の所業。
「海さん、おかえりなさい」
『ただいま、総悟』
「なんでそんなに離れてるんです?」
土方と立ち話をしているところに総悟が姿を現した。近づいてくる総悟に距離を置く海。
首を傾げて距離を詰めようとするが、海もその歩幅に合わせて距離を離した。
「海さん?」
『今、見回りから帰ってきたところなんだよ。だから、あっち行けっての』
「それじゃ理由になってやせんよ」
『くっ……だから、歩き回って汗かいてるから来んなって言ってんだよ』
「あぁ、汗臭さなんて気にしやせんぜ。むしろ、海さんの匂いならバチコイです」
『おい、土方。お前どういう育て方したんだよ……』
「俺はこいつの父親じゃねぇ!!」
にじり寄ってくる総悟から逃げるように屯所の前を総悟と鬼ごっこ。風呂が使えないのであれば、濡らした手拭いで体を拭こうと思っていたのに……なんでこんなことになってるんだ。これでは益々汗をかいてしまうではないか。
そんなことを思いながら走り回る。見回りで疲れているのに総悟の遊びに付き合うのは苦労する。そろそろ自分の部屋に引っ込むか、と思った矢先に誰かに体を抱えあげられた。
「おお!なんだ、楽しそうだな!」
『こ、近藤さん!?』
「ハハハッ!元気に走り回るのは構わんが、屯所の前でやるのはいただけんな!」
『ちょ、わかったから!わかったから下ろしてくれ!』
「近藤さん、そのまま海さん掴んどいてくだせェ」
「ん?なんだ?総悟」
近藤の前まで来た総悟が海へと手を伸ばす。逃げようとしている海を総悟の前に下ろして首を傾げた。
後には近藤、前には総悟と挟まれて身動き出来ない海はため息をついた。
「……海さん、どこが汗臭いんですかィ。ものすごくフローラルな香りするんですけど」
「なんだ?香でも付けてるのか?」
『ちょ、2人とも!擽ったい!』
くんくん匂いをかぐ総悟と近藤。首元には近藤の顔が。胸元には総悟がくっついている。
そんな2人に挟まれている海の顔は恥ずかしさで頬が朱に染まっていた。
「おい……2人ともやめてやれ。もうなんか可哀想になってきやがった」
タバコを吸いながら黙って見ていた土方が海に哀れみの目を向けながら二人に静止の声をかける。助けを求める海の姿がどうしても変な風に見えてしまう。一人、悶々とした気分を味わっていた土方は、そっと頭を抱えた。
.