第21幕
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「決めた!わしゃ、宙に行くぜよ。このまま地べた這いずり回って天人と戦ったところで、先は見えちょる」
夜空に光るいくつもの星を眺める辰馬が言い放った。それを黙って聞いている銀時。
すでに海は銀時の右腕を枕にするようにしてすやすやと眠っている。今日も今日とて何人もの天人に対して刀を振るった。効率よく倒していく海の戦力は絶大で、それにより前線に立って敵を薙ぎ払うことが多い為、彼はいつもこの時間帯になると誰よりも先に疲れて眠ってしまう。
「わしらがこうしちょる間にも天人はジャンジャン地球に来ちょるきに。押し寄せる時代の並には逆らえんぜよ」
地球にいる天人の数はもう把握しきれないほどに増えている。そんな終わりのない戦いを続けることに疑問を感じていた辰馬。それ以上にもう仲間が目の前で死んでいくのを黙って見ていることが出来なかった。
だから宙に行って漁をする。
そう言った辰馬の顔は晴々としていた。戦場で刀を振るっていた人間とは思えないほどに。
「どうじゃ?銀時。おんしゃ、こん狭か星に閉じ込めておくにはもったいない男じゃき。海もそがに頭のええ奴なんやきもっと大けなことをするとええじゃろ」
辰馬は銀時と海の方へと顔を向ける。そこには眠っている海を抱きしめるように寝ている銀時の姿。
「アハハハハ!アハハッ……天よ!こいつらに隕石ばたたき落としてください!」
笑いながら空を仰ぎ叫ぶ。ずっと黙って聞いてくれているなと思ったのに、2人とも夢の中へと飛び去っていたなどと。そんな悲しくも笑える話があるだろうか。
そんな懐かしい昔の記憶が走馬灯のように辰馬の頭の中を駆け巡る。
「ハッ……ハァ……危ない危ない。あんまり暑いもんじゃけぇ、昔のことが走馬灯のように駆け巡りかけたぜよ、ハァ……」
『辰馬、そこじゃなくてこっちに来いよ……なんでわざわざ日向にいるんだよ。バカかよ』
あの後、見知らぬ星へと不時着した船。周りは一面砂しかない場所。太陽から近い星なのか、照りつける日差しは辰馬たちの正気を失わせていた。
『くっそ、なんなんだよ……この暑さは』
「イライラすんなって、余計暑くなるだけだぞ?」
『人間、耐えられる温度ってもんがあるだろうが』
額から滴る汗を手の甲で拭う。
救助を呼ぶにも、船が使い物にならないのであれば不可能だろう。電気系統が生きているのであればまだ無線や救難信号を出すことも可能なのだが、電気コードがすべて切れてしまって使い物にならなかった。
要は詰んだ。
『新八、余計な体力使って動くな。体力は温存しておけ。とりあえずお前もこの書類手伝ってくれよ』
「あんたもやばいよ!!海さん!しっかりしてください!唯一この人達の中でまともなんですから!!」
虚ろな目で何かを差し出す海。新八が海の肩を掴んで揺さぶる。必死に現実へと戻そうとしている新八を他所に、海は書類やったら別の仕事がーと、呟いていた。
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