第21幕
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「まったく……こんなんじゃ体がいくつあっても足りないよ」
はぁ、とため息をついて新八は椅子に座り直す。その頭へとこつりと突きつけられた固いモノ。耳元でガチャっと聞こえた新八は音のした方へと目を向けると、そこには銃を持った男が立っていた。
「動くな」
乗客達がハイジャックだと騒ぎ始めるのが聞こえて、目が点になる。この男の他にも銃を手にしたやつが何人か居て、乗客へと銃を向けていた。
『銀時、』
「あぁ。わかってる」
騒いでいた二人は何処へやら。ハイジャック犯を見た途端、二人は顔を見合わせて頷き合う。海達を見た神楽と新八もこれから何をするのかを悟り立ち上がった。
『悪いが、久しぶりの休みなんでな。宇宙旅行くらい静かに楽しませてくれよ』
乗客に銃口を突きつけている男の背中を海が蹴り飛ばす。突然のことに驚いてよろめく男。すぐに銃口をこちらに向けて撃とうとするが、その手を掴んで男の方へと向けた。
「ひっ」
『ここで寝てろ』
自分に銃口が向いたことによりトリガーに掛かる指が離れる。強ばった顔を殴りつけて撃沈。がくりと倒れる男を持ち上げて通路の端へと転がした。
『こっちは終わったぞ』
「おーう。流石海」
『何が流石だ。何が』
「手早さ?」
『それはお前たちも変わらないと思うがな?』
銀時たちの足元にも転がっている男達。銀時や神楽ならまだしも、新八も加勢して倒したのだろう。段々と銀時に染まりつつある新八を見て、これでいいのだろうかと海は思案顔を浮かべた。
「ふざけやがって!死ね!」
どうやら海たちがが騒ぎすぎたせいで、後方で待機していたジャック犯がこちらの異常に気づいてしまったらしい。
『神楽、新八。俺の後ろに隠れてろ』
「海さん!」
すかさず2人の腕を引いて背に隠す。相手は銃を持っているのだ。素手の海らに比べて早く攻撃が出来る。
例え、相手が倒れた仲間を見て激昂し、銃を乱射したとしても子供たちには絶対に当たることのないようにと海が盾になった。
この状況、どうしたもんかと考えていると、男の後ろの扉が勢いよく開いた。扉に押されて倒れ込む男。打ちどころが悪かったのか、倒れたままピクリとも動かない。
『なんだ……?』
「さぁな……まぁ助かったのには変わらねぇか?」
開閉をし続ける扉を見つめたまま固まる海達。何往復かしたところで、扉を開けた人物が姿を現した。
「あぁ、気持ち悪いのぅ。酔い止めを飲んでくるの忘れたき、ハハハハッ」
確かこの方言は四国の方の土佐弁だったはず。この方言を使う懐かしい顔が浮かんだ。そいつは確か攘夷戦争の途中で宇宙へと行ったはずだ。元気にやっているだろうか。
一人、思い出の中に浸っていたところに銀時が海に声をかける。ハッと我に返って銀時の方を見ると、口の端から血を流しながら倒れている男。
その顔をじっと見つめる。
記憶に残っている顔とこの男の顔がリンクして、驚いた。
『辰馬……?』
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