第20幕
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『お邪魔します』
パトロールの途中だというのに、新八に腕を引っ張られるがまま中へと入る。銀時と神楽はまだ寝てるのか、室内はとても静かだった。
『定春、おはよう』
「わふ!」
ソファに暇そうに座っていた定春に声をかけて頭を撫でる。擦り寄るように定春が体を寄せてきたので、めいっぱい腕を広げてその大きな体を抱きしめた。
『お前はいつでももふもふしてて可愛いな』
柔らかい肌触りを全身で感じる。もう少しこのふわふわを抱きしめていたいが、定春からしたら苦しいだろう。一頻り堪能してから腕を離し、最後に一撫でして定春から離れた。
「まったく、ほんとにぐうたらな人達だな。ほら、朝だよ起きてー」
新八が神楽の寝ている場所の戸を開ける。
眠そうに目を擦りながらもそりと出てきた神楽。おはようと声をかければ、神楽は大きく目を見開いて海を見た。
「海!来てたアルか!」
『見回りの途中だからすぐに出るけどな?』
「朝から海に会えるなんて最高ネ!」
『そんな大袈裟な』
嬉しそうに笑う神楽と戯れている間、新八は銀時を起こしに寝室へと向かった。
「銀さーん。結野アナのお天気注意報始まっちゃいますよー」
新八が銀時を起こすべく襖を開ける。中を見た新八ピシッと固まり、すぐに戸を閉めて俯いた。
『新八?どうした?』
「あ、いや、海さん!そういえば見回りの途中でしたよね!!」
『え?あ、あぁ、そうだけど……』
青ざめた顔をした新八は、ソファに座っていた海の腕を引っ張りあげて立たせ、玄関へと背中を押した。
「すみません!こんな所まで来てもらっちゃって!見回りの続きしてきてください!」
「新八ィ!なに海追い出そうとしてるアルか!」
「いいから!神楽ちゃんは黙ってて!!」
新八を怪しげに見つめる神楽。銀時の寝室を見てから新八の態度はおかしくなった。神楽は銀時の寝室の襖を開けて中を確認し、冷めた目で襖を勢いよく閉めた。
『神楽?』
「銀ちゃんはワタシらでシバいておくアル。海は気にせず仕事して来てネ」
今度は神楽に背中をぐいぐい押されて玄関へと出される。銀時の部屋を見てから挙動不審な新八と神楽。何があったのかと聞こうとしたのだが、新八に「見回り頑張ってください!」と朝から叫ばれた上に事務所から追い出された。
『なんなんだ?』
ぴしゃん!と戸を締められ、ご丁寧に鍵まで掛けられてしまえばもう中に入ることは出来ない。もう見回りに行こうと思っていたから別に構いはしないのだが、なだか腑に落ちない。
外はもう日差しが強く、じりじりと身を焦がすような暑さ。そういえば銀時に会わなかったな、なんて思いながら海は見回りをするべく万事屋の階段を降りた。
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