第20幕
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『じゃあ、パトロール行ってきます』
「おう!気をつけてな、海!」
今日は朝からの見回り。屯所前で近藤に見送られながらかぶき町を一人歩く。
「おはよう、海くん。今日も見回りかい?精が出るねぇ」
『おはようございます。今日も暑いので熱中症には気をつけてくださいね』
屯所近くに住まいを持つおじいさんが竹箒を片手に海に挨拶してきた。今日も朝の日課である玄関周りの掃除をしていたのだろう。病気なく元気に過ごしているのを見て、海の顔も自然と綻んだ。
『今日は少し遠くまで歩いてみるか』
こんな天気の良い日は散歩がてら歩き回るのもいいだろう。最近は書類整理で屯所にこもってばかりだったから気晴らしにもなるかもしれない。
「あれ?海さん?」
いつもの様にかぶき町の通りを歩いていた時、万事屋へと歩いていく新八と会った。
『おはよう、新八』
「おはようございます。今日は隊服なんですね」
『仕事だからな。新八は今日も万事屋か?』
「ええ。仕事はないですけど、事務所の掃除とかしなくちゃいけないので」
『そうか。悪いな、あいつのこと全部任せっきりで』
ごめんな、と謝りながら新八と頭を撫でると、新八は照れくさそうに笑っていた。
「おや、海と新八じゃないか」
『お登勢さん。おはようございます』
「おはようございます。お登勢さん、今日は早いですね」
店の前を掃き掃除しているお登勢と立ち話。
少し遠くまで見回りをしようと思っていたのに、結局は万事屋の前で立ち話をし始めてしまった。またこの辺りをウロウロするだけで終わりそうだななんて苦笑いを浮かべつつ、新八とお登勢の会話に耳を傾けた。
「あいつも結婚でもなんでもして責任感っつうものをちょっとは覚えてもらいたいもんだねぇ。海、あんたなんかぴったりじゃないか。どうだい?」
『へ?なんの話?』
「いや、なんでもないです!あ、そろそろ僕達、中入りますね!」
町並みを眺めていた海はお登勢の話を半分聴き逃しており、何を話していたのか分からなかった。結婚がどうのこうのと聞こえた気がしたが、それと自分にどう関係あるというのか。
どういう意味だ?とお登勢に聞き返そうとする海を遮るように新八がお登勢と海の間に割って入る。そのまま新八に手を引かれて、海は万事屋へと連れていかれた。
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