第二十七幕
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「それは……どういうことだ」
先遣隊から聞いた話は信じ難いもので、リヴァイも動揺を隠せなかった。
「誰だ。巨人に連れていかれた兵士ってのは」
嫌な予感がする。
「え、えっと……た、確かミカサが……」
ああ、あの女の名前が出てしまったのであればもう無理だ。
「カイ……と叫んでいたよう、な……」
104期の兵士の女がオドオドしながら呟いた言葉は頭の中を真っ白にさせた。
エレンを生きて戻せ。そして自身も守れと言ったはず。
「あのバカ野郎……」
準備をしなくては。迎えに行って、説教してやらなければ気が済まない。
「リヴァイ、どこに行く」
集団に背を向けるとエルヴィンに声をかけられる。
「決まってんだろ。あのバカを連れ戻す」
「ダメだ。その足で何が出来る」
「あいつを連れてくることくらいは出来る」
「巨人との戦闘は避けられない。その怪我でカイを抱えて逃げるのは無謀だ」
「ここで黙って待ってろと?」
「そうだ。カイとエレンは私たちが取り戻す」
エルヴィンたちに任せれば必ず取り返して来るだろう。
でもそれでは納得がいかない。
「アイツらは俺の部下だ。上司である俺が行く」
「リヴァイ」
助けてやると言ったのだ。どこにいても、どんな状況だったとしても。必ず守ると。
「……頑固なのはお互いだな」
「なんだそれ」
「お前が表に出てこないようにしろとカイに言われていたんだ。治ってない足で無理をしたら動かせなくなると言われてね」
「勝手なことしてんじゃねぇ」
「それはカイ本人に言ってくれ。自分も怪我をしているのにリヴァイの事を庇って出たんだ」
何故いつも人の話を聞かないんだ。だからいつもこうなる。
人の心配をしている暇があるなら自分の身を守れ。そんな当たり前のことも出来ないのか。心配してくれなんて頼んでない。大体、自分よりもカイの方が……。
「はっ……俺も大概だな」
互いに互いの事しか見ておらず、自分のことなどお構い無しだ。これでは人のことを言えた義理ではない。
「エルヴィン」
「好きにしろ。但し、分かっているな?」
「ああ。必ず生きて戻る」
「分かっているならいい」
そう言ってエルヴィンはリヴァイに背を向けて歩き出す。
「そっちに行くまで死ぬんじゃねぇぞ」
きっと殺されることは無いだろう。先遣隊の話によれば、巨人化したのは三人。その内の二人がエレンたちを連れ去った。その際、重症で動けなくなっていたもう一人の方も連れ去ったという。
エレンを連れていこうとしたが抵抗された。そのため、人質を取ってエレンを無力化したと考えるのが妥当だろう。
普段からカイにベッタリなエレンを見ていたら誰だって想像がつく。エレンにとってカイがどれだけ大切な存在なのかを。
「だから甘やかすなと言っただろう」
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