第三十八幕
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「兵長、買い出し行ってきました」
「街で憲兵がこんなものを」
アルミンがリヴァイにチラシを渡しているのを横目に荷物を置いているミカサとジャンに声を掛けた。
『おかえり。大丈夫だったか?』
「大丈夫。こっちは平気?」
『問題ない』
大丈夫だと笑うとミカサはホッと胸を撫で下ろす。
「これが事実なら調査兵団は解散状態です」
『は?なに?何の話?』
解散という言葉に反応してカイはリヴァイが見ているチラシを覗き込む。
『ディモ・リーブス死んだのか……それをクソハゲの指示だと……』
ディモ・リーブスはサネスたちを呼び出したあと解放したはず。その後に憲兵に殺されたかもしくは。
「チッ……面倒なことになった。これじゃ身動きが取れねぇ」
『どうするよ……っていうか……その、うん』
「あ?なんだ」
じっとチラシに書かれている絵を見る。そこには指名手配とされたリヴァイが描かれているのだが、その絵があまりにも酷すぎて。
『特徴はよく捉えてると思うけど……いや、これは流石に悪意あるだろ。こんな凶悪ヅラじゃないって。もう少し可愛げを……』
「……おい」
『うん?文句言ってこようか?これ書いたのあの出版社だろ?顔は覚えてる』
「そうじゃねぇ。お前は少し黙ってろ」
なんで?と首を傾げるカイにリヴァイは何故か疲れた顔を浮かべる。
『え?なんだよ。なんか変なこと言ったか?』
「全部だ」
『ええ!?』
何がおかしかったんだ。全部って一体どこからどこまでなんだ。意味がわからず狼狽えていると、サシャが何かを察知して森の方へと顔を向けた。
「兵長、足音です。こっちに向かってきます」
「痕跡を消せ。カイ、お前は──」
『迎撃でいいか?』
「殺すな。捕まえて情報を吐かせる」
『了解。全員捕縛な』
「おい、俺は動けとは言ってない」
『え?なんで』
「まだ左腕が治ってねぇだろうが。コニー、こいつを連れて身を隠せ」
「はい!」
『ちょっと待てって。相手が何人いるのか分からないのに隠れてる場合なんて無いだろ!』
「怪我人を出させるほどのことじゃねぇ」
こちらに来てるやつは憲兵で間違いないだろう。立体機動であれば、リヴァイたちに勝ち目はある。だが、銃となればそうはいかない。森の中だから有利なのはこちらだとしても、不安は拭いきれない。
『リヴァイさん、』
「コニー、連れてけ」
「カイさん、ほらリヴァイ兵長もこう言ってますし……」
『おい、離せ!まだ話は終わってない!離せってば!』
「痛ッ!ちょ、カイさん!ベチベチ叩かな……痛いっす!!」
コニーの頭を手のひらで叩いて手を離すように言うが、彼はがっしりとカイの腕を掴んで引きずっていく。
『こんの……頑固親父がッ!』
「うるせえ。早く行け。ミカサ、アルミン。お前らは残れ」
『なんでその二人残して俺は引っ込めるんだよ!バカじゃねぇの!?』
「クラウンさん、もうちょっと声を抑えて。ほら行きましょうって」
「そうですよ!もう近くまで来てるんですから!!」
ジャンとサシャも加わって三人がかりでカイを引っ張る。そうなればもう逃げようが無くなるわけで、ズルズルと奥の方へと連れていかれた。
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