第二十八幕
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「リヴァイ、カイを救出次第、壁内へ戻れ」
「エレンはどうするんだ」
「私たちの方で奪還する」
「了解だ」
カイを助けに行くと言い出したとはいえ足の状態はまだ良くない。立体機動が使えないということはないが巨人との戦闘となると怪しい。
あれだけの啖呵をきって出てきたが、カイを抱えて戦うのは無理だ。それを見越してエルヴィンは戻れと指示したのだろう。
「あれか……」
前方に見えてきた巨大樹の森。あそこにカイとエレンがいる。
「エルヴィン、先に行くぞ」
「ああ。無事に取り戻してくれ」
「分かってる。アデライン、俺の馬を先導しろ」
後ろからついてきていたアデラインに声をかければ、言われた通りリヴァイの馬の前へと出てくる。
適当に木へとアンカーを突き刺して森の入口に降り立つ。小規模といえども木々が鬱蒼としている。立体機動は使いやすくても視界が悪い。
「いつものように騒がしくしてくれりゃ分かりやすいんだが」
エレンが側にいるのだから無駄に喋っていればいい。そうすれば話し声でわかる。
残りの者たちがそれを許していればだが。
文句を言っていても仕方ない。こうしている間にも相手は自分たちから逃げようとしているだろうから。
森の中心へ向かおうとアンカーを飛ばす。その場から離れ、次の木にアンカーを射出しようとした時、下の方で巨人たちがどこかへと走っていくのが見えた。
エルヴィンたちは森を囲うように馬を走らせている。中にはまだ人は入っていないはず。それなのに巨人たちは何かを目指して走っていた。
「やつらか」
まだ森の中にいる。巨人が向かっている所に行けばカイたちとぶつかるかもしれない。
アンカーを外して巻き戻し、向きを変えて再度射出する。巨人に追従していくように進んで行った先、複数の巨人が一本の木に群がっているのが見えた。
そして、その上にいる人影も。
『うわ……お前らどんだけ増えるつもりだよ。俺一人しかいないのにどうやって食うつもりなの?』
群がる巨人を見下ろすカイの姿。
「カイッ!!」
『えっ──』
巨人からリヴァイの方へと頭が動く。こちらを見た目は大きく見開かれ、そして一言。
『立体機動使ってんじゃねぇよバカ!!』
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