第十九幕
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「あ、ああ……そんな……!!」
『信じるって……なんだったっけ』
「カイ!」
眼前に広がる惨状をエレンと共に呆然と眺める。
『守るって決めたのに。なんでここにいるんだ』
もう誰も失いたくなかったのに。
『なんで、こうなるんだ』
リヴァイに守るって言ったのに。
『なにを信じればよかったんだ』
彼らなら大丈夫だと思った自分が愚かだった。最初から自分が動いていれば。
誰かを信じるなんて事しなければ。
『……俺のせいだ』
「カイ!!」
『エレン、先に本部に行け』
「待てよ!!それなら俺も!!」
『行けと言ったのが聞こえなかったか?』
守らないと。この子だけは守らないと。
『行きなさい』
「カイを置いてなんか行けない!!俺は……」
『行けよ……頼むから』
本当に守れるだろうか。
「嫌だ!!」
『言うことを聞かないのは子供の頃から変わらないな』
エレンをその場に残し一人、女型へ向かって飛ぶ。トリガーに剣をセットして。
『勝てるかなぁ……仇とれるか分からないけど……』
飛んできたカイを握り潰そうとしてくる手を身を翻して躱し、女型のうなじへとアンカーを突き刺す。項を削ごうと刃を突き立てるが、急所だけが硬化して通らなかった。
『そう簡単にはいかないか。そりゃそうだよな、エルドたちですら敵わなかったんだから』
下にある三人の死体。彼らの勇姿を覚えておかなくてはならない。でも、目を逸らしたい。現実から逃げたくて。
『なあ、今どんな気分なんだ?こいつらを殺して嬉しいのか?』
問いかけたところで答えなんて返ってこない。どうせ返事があっても納得いく答えではないだろう。
『いいよ。直接聞くから。ここまでどんな思いで来たのか』
それを聞く権利はこちらにあるはずだ。どんな言葉でも。
『君が誰であっても……俺はずっと恨むよ』
何度も女型に刃を振りかざす。腕を、腹を、足を削った。辺りに血が飛び散り、蒸気が身を包んでも手を止めることは出来ない。
「カイ!!!!」
止まれない。止まりたくない。
喉の奥が熱い。目の縁に段々と涙が溜まっていく。零れ落ちてしまわないように歯を食いしばるけど、カイの意思に反して涙が頬を伝った。
『どうして……どうしていつも!!』
女型の目に刃を投げつけて刺す。片目を失ってバランスを崩すも、カイを見逃さないようにもう片方の目がギラリと輝く。
『俺だけ生き残るんだよ……!』
伸ばされた手を切り刻みながらうなじへと辿り着き、再度剣を振るう。ガキンッという音と共に刃は砕け散り、弾かれた衝動で身体が吹き飛んだ。その瞬間を女型が逃すわけもなく殴られる。
『ごめん……リヴァイ……俺また……守れなかった』
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