第十六幕
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「さっさと寝ろ」
『寝るけど……お前は自分の部屋戻れよ』
なんで部屋までついてきたんだ。まさかまたエレンのところに行くと思われているのだろうか。
ベッドに座ったままこちらを見ようとしないリヴァイに段々と焦りが生まれる。もしかして自分も監視対象になってしまったのかと。
『もう勝手なことはしないから』
「聞こえなかったか?黙って寝ろ」
こちらの言い分は完全に無視されている。それほど怒らせてしまったのだ。
『悪い』
大人しく寝た方が身のためだ。カイが寝たのを確認したら部屋に戻るはずだから。
布団を首元まで引っ張り上げて目を閉じる。なるべくリヴァイの方に寄らないようにして。
目を閉じてからどれだけ時間が経ったんだろうか。見張られていると意識してしまって眠れない。
『(寝れない。これじゃリヴァイもここから動かないだろ)』
巨人を相手にしていないとはいえ今日は立体機動を使った。それなり疲れもあるはず。だから部屋に戻って欲しい。
『リヴァイ、もう部屋から出ないからお前も──』
「眠れないのか」
『へ?』
ふわりと頭に手が乗る。その手はカイの頭を優しく撫でつけた。
『リヴァ……イ?』
何を言うでもなくただリヴァイはカイの頭を撫でる。それはまるで子供の寝かしつけのようだった。
「無駄なことは考えるな」
『あ、え、うん?』
考えるなと言われても無理だ。
リヴァイに寝かしつけられているなんて信じられない。早く寝ろと蹴られるならまだしも、こんな優しく頭を撫でられるなんて。
『変なものでも食べたのか?』
「あ?」
『なんでもないです』
暫く頭を撫でられていたら瞼がゆるゆると重くなってきた。
『リ……ヴァ……』
「なんだ」
『さっき、は……ごめ』
「反省してるならいい。だが、次は無い」
『ん、』
微睡んでいく頭で謝るなと言われると思った。途切れ途切れの言葉でもリヴァイはちゃんと拾って返してくれる。彼にだいぶ甘えてしまっているなぁと苦笑い。
「もう眠れるだろ」
『う、ん……お休み』
「ゆっくり休め」
意識が無くなる間際、リヴァイが何かを言っていたような気がしたがハッキリとは覚えていない。
朝起きた時にはその事すら忘れてしまっていた。
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