第十六幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『あー……これは寝れないな』
ハンジとモブリットが本部へと戻り、リヴァイたちが各々自室に引っ込んだあと。
カイは一人食堂で腕を組んで椅子に座っていた。
『ガス調整に壁外遠征の段取り、それに加え……なあ』
考えることが多すぎる。自分一人でどうにかする問題では無いので、こんなに頭を悩ませる必要はない。けど、ある程度の予想をしておけばいざという時に困らないで済む。
特にエレンのことは。
『何を考えてるのやら。まあ、根本は変わってないみたいで安心したけども』
嘘が分かりやすいままでよかった。もしあの癖が直されていたら気づかなかった。あれはエレンが困っているという印でもあるから。
『今は黙っておいた方がいいか。変に疑いを持たれたら今後の関係に支障が出るだろうし』
報告に嘘があったなんてバレたらなんて言われるか。本当のことを言うまで詰問されるだろうし、リヴァイだったら足が出る可能性もある。審議所で生意気なことを言ったから、と散々蹴りつけたようだし。
『気づかれる前に言ってくれたら……いいんだけど』
うーん、と唸りながら天井を見上げる。なんとか上手く事が運んでくれたらと願っていると、左側からこつりと靴音が聞こえた。
「カイ?寝ないで何してるんだよ」
『エレンこそ。どうした?』
「俺は……ちょっと眠れなくて」
『同じだわ。考え事してたらこんな時間』
「考え事?」
『明日の飯当番俺だろ?だから何作ろうかなぁって』
バカ正直に聞くわけにはいかない。きっとまだ答えてはくれないだろうから。明日の当番が自分なのは本当だし、何を作るかを決めていなかったのも本当のことだ。だからそれを悩んでいると言うと、エレンは呆れた顔。
「そんなの明日考えればいいだろ」
『当日になって何作ろう?ってなるの嫌だろ。台所で悩み始めたらエレンたち朝食食えなくなるぞ?』
「そんなに悩むことかよ。パンとシチューとかでいいんじゃねぇの?」
『この前もそのメニューだったろ。なんか他のもん食いたくならねぇ?食べたいものないの?』
「そもそもカイって料理できるのかよ」
『ふふん。任せろ。これまで作ったことはない』
ドヤ顔で答えるカイにエレンはさーっと顔を青ざめる。
「頼むから変なものは作らないでくれよ……?」
『大丈夫だろ。ペトラと一緒に作るから』
彼女が居れば多分平気なはず。これを作りたいと言えば教えてくれそうだ。
「それならいいけど」
『ん。それにしても全然眠気が来ないな』
このまま話していても眠れなさそうだ。かといって身体を動かすのは他の奴らの迷惑になる。
『なあエレン』
「なんだよ」
『ちょっと散歩しようか』
今頃リヴァイたちは寝ているはず。彼らが起きる前に戻ればバレないだろう。
そう思ってカイはエレンを外に連れ出した。
.