第十三幕
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「なん……だって?」
捕まえた巨人が何者かによって殺された。貴重な生きた資料を。
『ハンジ、先に戻れ!俺はリヴァイたちを起こしてくるから』
「あ、あ……」
『ハンジ、しっかりしろ!お前は早く状況の確認をしてこい!』
「わ、わかった……」
ショックでフラフラしているハンジの背を押す。モブリットにハンジのことを頼んで、カイはエレンを揺さぶり起こす。
「ん……」
『エレン、起きれるか?』
「カイ……?」
『ごめんな。もう少し寝かせてやりたいのは山々なんだけど、ちょっと問題が起きた。これから出るから準備出来るか?』
「問題……ってなんだよ」
『捕まえた巨人が誰かに殺されたらしい』
「え……一体誰に!?」
『わからない。行ってみないことには何も分からないから、一度向こうに出向く。だから準備してくれ』
「わかった」
眠そうな顔をしつつもエレンは大きく頷く。
「て、てか俺今どういう状態なんだよ」
『うん?ハンジの話の途中でエレン寝ちゃっただろ。だから抱えてる状態だけど』
「は、はあ!?なんで、なん……はあ!?」
『それだけ元気があればすぐに出られるな?俺はリヴァイたちを起こしてくるから』
エレンを隣の椅子へと座らせてカイは立ち上がる。早くリヴァイたちを起こしてこなければ。
現場確認は遅くなれば証拠もなにも分からなくなる。それが巨人であればなおさら。人間なら死体がその場に残るけど、巨人は蒸発して消えてしまうのだ。そうなったら遺体の確認なんて出来ようもない。
急ぎ足で階上へと行き、一番手前の部屋へと入り込む。
こんもりとしている布団に手を掛けようとした瞬間、逆に手首を掴まれてベッドへと押し倒された。
「てめえ一体……カイ?」
『寝てるところ悪いな。緊急事態だ』
「緊急事態だと?何があった」
『捕まえた巨人二体が何者かに殺されたらしい』
「どういうことだそれは」
『詳細は不明だ。さっきモブリットが来てそう言われた』
「わかった。カイ、他の奴らを起こしてこい」
『そのつもり』
手首の拘束が解け、カイの上からリヴァイは身を引く。
「お前、ノックをしなかったのか」
『忘れてた……つかしてる暇なんてないだろ』
「今度からはしろ。人の寝込みを襲うような真似はするな」
『襲ったつもりは無いけど……まあそう見えるか。次からは気をつける』
カイが部屋の扉を開けた時点でリヴァイは起きていただろう。でなければあんな早業できるわけがない。
昔はゴロツキだったと聞いていたが、相当酷い環境で暮らしていたようだ。寝込みを襲われるような治安の悪い環境に。
『あ、そういや初めて見るか?』
「何をだ」
『リヴァイの寝顔』
「は?」
見えたと言ってもたかが数秒。ああ、まだ寝ていると思った次の瞬間には押し倒されてしまったのだから。
『案外可愛い顔してんだな』
それだけ残してカイは次の部屋へと向かう。
『なんか他の奴らの寝顔も気になってきたな』
悪戯心が芽生え、カイはひっそりと扉を開けて中へと入る。リヴァイと違って他のやつらはカイが声をかけるまで起きなかったので、寝顔を見る暇があった。
『うん、オルオ。お前は夢の中でも舌噛んでるのか?』
「何の話してんだ。大体、人の寝顔を見てんじゃねぇ」
「待って。まさか私の寝顔も見たの!?」
『全員見たけど』
その後、ペトラからビンタされたのは言うまでもない。
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