第九幕
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「はっ……」
「何か質問はあるか」
「あ……」
目が覚めて一番に聞こえた声。そちらへと目を向けると見知った顔の男たち。
一人は調査兵団団長のエルヴィン・スミス。そしてその傍らにいるリヴァイ兵士長。
何故そんな二人がここに居るのか。一気に押し寄せる疑問と自分の身に何が起こったのかという不安。
自分の心配もそうだが、それ以上にカイはどうなったのか。穴を塞いだ後、カイは巨人を倒して倒れてしまった。助けに行きたくても身体が動かせなくて、リヴァイに抱えられて運ばれていくのを見ていることしか出来なかったのだ。
倒れたカイは大丈夫なのか。それが一番に聞きたかった。
「あ……あの、カイは……えっと、倒れたあの兵士はどうなったんですか」
「彼のことを聞くより君は今自分が置かれている状況について知るべきだと思うんだが」
「それは……」
確かにそうだ。目が覚めたら見知らぬ場所に閉じ込められていて、手には枷まで付けられている。そんな状況で人の心配など笑われてしまう。
それでもカイの行方が気になってしかたない。
「彼は医療班に任せたから無事だ。今はまだ眠っているけどな」
「医療班って……まさか怪我してるんですか!?」
「怪我では無い。だが、体調は良くない」
「そんな……」
壁の上で会ったときは普通に話していた。体調が悪そうな気配なんて無かったのに。
「おい、アイツの話をしに来たんじゃねぇだろう」
不機嫌そうな表情のリヴァイに睨まれ、エレンはひゅっと息を飲む。
「こ、ここは……どこですか」
改めて周りを見てみる。天井からぶら下がっている手枷にエルヴィンたちと自分のところを隔てる鉄の檻。誰がどう見ても牢屋にしか見えない。
「見ての通りだが、地下牢とだけ言っておこう。今、君の身柄は憲兵団が受け持っている。先程、漸く我々に接触の許可が下りた」
淡々と話すエルヴィンによって少しずつ状況を理解してきた。
これから選ぶべき道も。
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