第六幕
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「私はとうに人類復興のためなら心臓を捧げると誓った兵士!その信念に従った末に命が果てるなら本望!彼の持つ巨人の力と残存する兵力が組み合わされば、この街の奪還も不可能ではありません!人類の栄光を願い、これから死にゆくせめてもの間に彼の戦術価値を説きます!」
駐屯兵団の兵士たちから銃口を、刃を向けられている中、アルミンはたった一人で敬礼をしていた。
エレンとミカサを庇うように立っているアルミンは身につけていた装備を全て取り払っている。こちらには敵意や反抗心は一切ありませんという目に見える最大限の表現だ。
『よくやった、アルミン・アルレルト』
「あ……」
そんな彼の前へとカイは降り立つ。
「カイ、さん!」
『遅くなって悪かったな』
「あ、ああ……!」
カイが現れたことで安心したのか、アルミンは目に涙を溜めて首を横に振った。
「貴様ッ!!そいつらの味方をするのか!!!?」
『うるせぇなぁ。怒鳴る前に少しは頭を働かせろっての。もしかしてアレか?頭にいかせるはずだった栄養を全部身体にいかせちゃったやつか?身長だけご立派で、頭はカラじゃモテないだろ?』
「黙れ!!!そいつらを庇うというのであれば、貴様にも榴弾を撃ち込むぞ!!」
『おいおい、それは早計すぎるだろ。頭がカラって騒ぎじゃ──』
「う、撃たれたんです……」
『は……?』
「さ、さっき本当に撃たれたんです。エレンが咄嗟に庇ってくれたんですけど……」
榴弾を撃ち込むと言ったキッツにアルミンが怯えた顔でカイの上着を掴んだ。ボソリと聞こえた言葉は信じられないものだったが、足元を見た瞬間それが本当のことなのだと。
そういえばキッツは貴様"にも"と言っていた。
『おい、お前それはないんじゃねぇの?』
「うるさい!黙れ!!巨人は人類の敵だ!!我々にとって脅威となりうる存在を攻撃して何が悪い!!」
『それで話も聞かずに榴弾ぶっぱなしたって?あー、悪かったな頭カラなんて言って。お前はそんなもんじゃねぇわ』
アルミンを後ろへと下がらせながらカイは刃を引き抜く。
『この能無し野郎が』
アンカーを飛ばして勢いよくキッツの元へと飛び込み、がら空きの首元へと刃を突き入れようとした瞬間、キッツの真後ろに立った人間に気づき手を引っこめた。
『遅い』
「これでも急いだ方じゃ。お前が手を出すのが早い」
「ピ、ピクシス司令!?」
「危なかったなキッツ。もう少し遅れていたらお前の首はもう無かったぞ」
冷や汗を垂らすキッツにピクシスは笑いかけているが、キッツはそれどころではない。もう少しなんてものでは無い、数秒単位で遅れていたらカイの刃はキッツの喉元を突き刺していた。
「お前は増援の指揮に就け。わしはあの者らの話を聞いたほうがいい気がするのう。カイ、お前もついてきなさい」
『俺も?』
「知り合いなんじゃろう」
ピクシスがちらりとエレンたちの方を見やる。それに釣られてカイも振り返ると、エレンがこちらをじっと見つめていた。
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