第五幕
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「ど、どういうことだ……」
『見たまま、だな』
「でもエレンが巨人の項から出てくるなんてこと!」
『信じられないよなぁ』
倒れた巨人から出てきたのはエレンだった。
ミカサは脇目も振らずにエレンの所へと駆け寄り、生きている事を確認して縋るように抱きついた。その後を追ったアルミンもエレンの元へと飛んだ。
そんな二人の姿をカイとジャンは屋根の上から見守る。
『巨人の中に人間か。食われたのであれば項から出てくるなんてことは有り得ない。どういうことだこれ』
「クラウンさん、どうするんすか……まさかアイツが……」
『まあ、そうなるだろうな。エレンがこれをやったとしか考えられない』
エレンが巨人になっていたのであれば、巨人たちの項を執拗に狙っていた理由も分かる。そこを狙えば確実に倒せると理解しているからだ。
『さて、どうするかこれ』
「どうするもこうするも……エレンが巨人なら俺たちは……」
『巨人は滅せよ。ってなるよな?』
巨人なのであれば、エレンは処刑しなければならない。壁の中に巨人を引き入れたというなら即座に殺されるだろう。
だが、エレンは他の巨人を殺していたし、相手側からも襲われていた。巨人の仲間だとしたらエレンが攻撃されることは無いはず。
『本人に聞くしかなさそうだな』
この状態を作り出したエレンに直接問うしかない。
だが、その前にやらなければならないことがある。
『ジャン、これからここは騒がしくなる』
「え?」
『下手な発言はしないように。君は訓練兵として巨人を倒し、壁を登ろうとした際にこの場に居合わせた』
「クラウンさん?何を──」
『いいな?これから来るやつらに何も言わずに従え。そうすれば疑われることは無い』
ちらりと後ろの方を見ると、駐屯兵団のもの達がゾロゾロとやって来ていた。エレンたちの方はまだ動ける状態では無い。あれでは言い逃れも出来ないだろう。
「クラウンさん!どこ行くんすか!」
『話の分かるやつに会いに行ってくる。エレンたちと話が出来そうだったら……そうだな。変な真似はするなって言っておいてくれ』
駐屯兵団の兵士らがこちらに気づく前にとカイはその場を離れる。路地裏に身を隠したところで、頭上から聞こえてきた怒号に呆れ混じりの笑み。
『相変わらずあのオッサンは怒鳴り散らすことしか出来ないんだな』
今頃、ジャンたちはキッツに詰め寄られているだろう。その場に自分も残ってキッツを宥めた方が良いのだろうけど、きっとこれは宥めたくらいでは収まらない。
エレンたちの寿命を伸ばすにはキッツよりも上の人間を連れてこなければ。
『じいさんどこにいっかな。もう話は聞いてると思うけど』
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