第一幕
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「ありがとうございます!!この御恩をどうやってお返しすれば……!」
「いえ、医者として当然のことをしたまでですよ」
ひたすら頭を下げ続ける両親の背中をひっそりと眺める。
相手の男は困ったように眉を下げ、どうか頭を上げて欲しいと言っていた。
「貴方がいなければ息子も亡くしてしまうところだったんです。ですからどうかお礼を!」
「必要ありませんよ。それに私はお礼を受け取れるような身ではありません。息子さんはなんとか助けられたものの娘さんは……」
そこで男は言い淀み、両親もぶわっと泣き出した。床に膝を着いて泣く母親の背中を父親は宥めるように撫でる。
その時、男がこちらを見た。
じっと見たかと思えば、苦笑いを浮かべて手を振ってきた。
「元気になったようで良かったよ」
声をかけられるも、なんて返事をすればいいのか分からず、ただ頷くことしか出来なかった。
男は両親に一言二言声をかけてから家を出て行った。
その後、彼は救世主となる。流行病を根絶させた者として。
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