第264幕
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「はあ?珍さん?」
「どうも珍宝です。チン○の"チン"にチン○の"ポ"で珍宝です」
「いやもうそれただのチン○じゃないかい」
神楽と新八に連れられてお登勢のスナックへとやってきた。とりあえず今のところは自分が銀時だとは思われていない。時間泥棒が付けた装置は上手く作動しているらしく、周りの人間からは別の人間として見られている。
「(だから海に刀向けられたってところがなんともな)」
誰にも知られてはいけない。それは重々承知しているのだが、やはり海には自分の存在を知って欲しいと思ってしまう。
過去の自分が未来の海に会ったところでなんの慰めにもならないことは知っているけれど。
「あいつに義兄弟がいたなんて初耳だね。やつの死を聞き付けてはるばる墓参りに来たってのかい」
「ええ。その道中で偶然二人に助けてもらいまして」
バーカウンターの端と端に座る新八と神楽はどう見ても仲が悪いようにしか見えない。
「なんだいアンタらいつ万事屋再結成したんだい」
「笑えない冗談はやめてくれ。女子供と手を組むつもりはない」
「こんなのに足引っ張られるのはごめんだしね」
舌打ちをするやつと唾を吐くやつ。そんな二人を引き攣った顔で眺めながらお登勢に疑問をぶつけた。
「あ、あの……前は銀さんと仲良く万事屋やってたって聞いたけど……」
「そんなもんとうの昔に解散しちまったよ。銀時が居なくなって地球もこんなことになっちまってさ、これから万事屋をどうしていくかってなった時に色々モメたらしくってね。黒猫が居てくれたらこんなにはならなかっただろうけど」
黒猫。それはお登勢が海を呼ぶ時のあだ名だ。銀時であれば聞き慣れているものだからすぐに誰のことは分かるが、今は田舎から出てきた銀時の義兄弟という身分。うっかり話を合わせてしまうようなことがあればバレてしまう。
「黒猫って……?」
「銀時に恋人がいたことは知ってるかい?」
「え、ええ……桜樹さん……でしたっけ」
「銀時が居なくなったあとそいつも行方をくらませたんだよ。警察の人間だったから何か知ってたのかもしれないね」
「何かって何を……」
「さあ。それはアタシにも知らないさね。アイツも勝手なやつだよ。子供らのこと頼むって言って……それから何年も顔出してないんだから」
お登勢に新八たちを任せて海はどこかへと行った。それは先程の新八たちの話と同じだ。数年ほど行方をくらませたあとに何故か幕府から追われていると。
「なんかさっき二人が喧嘩してたときに聞いたんですけど……その桜樹さんって方、幕府から追われてるとかって」
「詳しいことまではね。どうやら地球で蔓延してる病気と関係してるみたいだけど」
「病気って白詛っていうやつですか?」
海と白詛になんらかの関係があって幕府に追われている。行方不明になったのは幕府から逃れる為だったのか、それともその病気のことを調べるために動き出したのか。
「(まだよく分かんねぇな……)」
出来れば本人を捕まえて話を聞きたいところだが、あんな状態では見つけるのも難しいだろう。かといって新八と神楽に手伝ってもらえるような感じでもない。
でもこのまま海を一人にはしておけない。きっと彼はまた無理をしてしまうから。
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