第275幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「こいつで……シメーだ」
過去へと来た銀時は戦場を駆けていた白夜叉へと木刀を突き刺した。これで何もかも全て元通りになる。そう信じて。
「ああ、シメーだ。てめえの取り戻したロクでもない未来はな」
こちらを振り返ったのは自分自身ではなく、なぜか長谷川。
「ったく、あぶねぇな。危うく本当に死ぬとこだったぜ」
白夜叉の格好をしていた長谷川は腹にみかん箱を巻いて木刀を防いでいた。銀時が貫いたのは戦装束の上着だけ。
「え……ええー!?ちょっと待て!なんで俺が……なんで銀さんがマダオになってんだ!?」
「そりゃそうだろ。銀さんはマダオだろ?」
「いや、そりゃまだ先の話だろ!この頃の銀さんはまだ……つーかなんでてめえがここにいるんだよ!」
「てめえが一人ぼっちで寂しいだろうと思って、こうして酒持ってきてやったんだろ。まあ違う方の銀さんに振舞っちまったみてぇだが。今も昔もお前らは変わらねぇな。いい酒もってったら見知らぬ俺とどんちゃん騒ぎだ。今頃二日酔いで潰れてる頃だろう。それで流石に悪いなと思って俺が代わりに戦おうと」
「え?ちょっと待って、酔いつぶれてる?ちょっと待ってじゃあ……」
長谷川が持ってきた酒で酔いつぶれているということは、ここに銀時たちは来ていないということになる。
ということは、と銀時は魘魅たちがいる船の方を見やる。そこには軍勢を従えた魘魅が元気そうに立っていた。
「え、いや、待て!海は……海にも酒飲ませたのか!?」
海が居なくなったのは銀時たちが出陣するちょっと前だったはず。タイミングが合っていれば、海が魘魅に捕らわれることもない。この時代の銀時が海を探しに魘魅の元に行くことも。
「桜樹さん?いや見てねぇな。そういやあの人だけ居なかったような……」
「居なかっただと!?本当に居なかったのか!?」
「あれだけの美人さんを見落とすわけねぇだろうが」
「じゃ、じゃあ……海は……」
魘魅に捕まっている可能性が高い。今まさにナノマシンを身体に植え付けられている真っ最中だろう。
海にナノマシンが定着しないと分かっていても冷や汗が垂れる。
「結局は助けに行かなきゃなんねぇじゃねぇか!!なんなの!?てか、アイツはいつから動いてたの!?」
二日酔いで潰れているということは長谷川は昨日の晩から銀時たちに酒を飲ませていたということだ。その時点で海は居なかった。まさか銀時の目を掻い潜って魘魅のところへと向かったのか。
「仕事しすぎなんだよ!!アイツはマジでなんなの!?!?」
今も昔も変わらない。働きすぎだ。
.