第274幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
──珍の字、まずいことが起こった。
トランシーバーから聞こえてきた源外の声は焦りの色。
修理していた時間泥棒が魘魅に盗まれた。何故魘魅が時間泥棒を持っていたのかは分からない。だが、盗まれたのであれば取り返しにいかねば。
それに時間泥棒を取り返そうとしているのは銀時だけじゃない。
「なんで海が……」
──たまたまうちに来てたんだ。奴さんの情報を探してるついでに寄ったとか言ってな。その時に時間泥棒が盗まれちまったもんだからアイツも飛び出して行っちまった。
海一人で魘魅にかなうわけがない。白詛に罹っていなければ勝機はあっただろうが、今の海では返り討ちにされる可能性が高い。
下手に手を出して魘魅に殺されでもしたら。
「頼むから変な真似だけはしないでくれよ……!」
時間泥棒に備えられているGPSを頼りに銀時たちはターミナル跡地へと走る。
海が魘魅と会うよりも前に銀時たちがどちらかを見つけなければならない。固まって探すより、手分けして探した方が効率が良い。
「時間がねぇ。ここは手分けして探すぞ」
「でも……」
「いいか、野郎を先に見つけたら必ず俺を呼べ。海を見つけたら絶対に魘魅の所には行かせるな」
神楽と新八に念を押すように告げる。二人が頷くのを見てから、銀時はターミナルの上階目指して階段をかけ上った。
「なんでアイツはいつもいつも無茶ばっかすんだ!」
一緒にいればこんなことにはならなかった。一人で魘魅を追うなんて無謀すぎる。
あれほど無理はするなと言ったのに。
「言う事聞かねぇのは過去も未来も変わんねぇ!」
性格なんてそうそう変わるものでは無い。でも、側に銀時がいるのだから少しくらいは躊躇ってくれてもいいじゃないか。魘魅を追って飛び出す前に銀時に一声掛けようとは思わなかったのか。
そんな考えが生まれなかったから今こうして一人で言ってしまったわけだが。
「見つけたらただじゃおかねぇからな!紐でもなんでも括りつけて離さねぇからなクソガキ!」
悪態つきながら銀時は最上階へと上がる扉を蹴り飛ばした。
.