第267幕
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「なんでまだ兄さんと一緒にいるんですか」
「なんでって聞かれてもねぇ。この人、俺の面倒を見るようにって言われてるし。自分で二週間は一緒にいるって言ったし」
「兄さん何考えてるの?こんな得体の知れない人を側において置くなんてどうかしてるよ」
外に出たらまた役人たちに追いかけ回されるだろうと銀時と海は廃屋で一夜を過ごした。そして空が白み始めた時に朔夜が戻ってきて一言。
『仕方ないだろ。こんなところを一人でフラフラしてたらすぐに死ぬ』
「それは兄さんには関係ないよ。坂田さんの知り合いだかなんだかって言ってるけど、それだって怪しいじゃん。神楽ちゃんと新八さんが知らないなんて有り得る?兄さんだってこの人の事良く知らないんでしょう?」
それを言われてしまっては銀時は何も言えない。
役人に追われている海の身からしたら余計な人間は連れて歩きたくないはず。ましてやこんな素性の知れない人間など警戒対象に入る。それなのに海はお登勢に頼まれたとはいえ銀時のことを側において護ってくれていた。
『知らないことなんて沢山ある。あのバカは全部を話そうとはしなかった。アイツに義兄弟がいても何らおかしくは無い。知り合いが多かったヤツだから……』
「だからって兄さんがその人を庇わなくてもいいと思うよ。自分の意思でここに来たんでしょ?それなら何が起きても自己責任だよ」
『こいつの面倒は俺が見る。お前が頼まれたわけじゃないんだから文句を言うな』
「でも……!」
『しつこい。今はこいつの事より近藤さんの救出のことを考えろ』
もう話すことは無いと言わんばかりに海は朔夜に背を向ける。訴えを聞き入れてもらえなかった朔夜はもどかしそうな表情を浮かべていた。
『場所と時間は変わってないな』
「……多分」
『朔夜』
「変わってないよ。土方さんと総悟が近藤さん迎えに行くって言ってた」
『ならそれに合わせて動くとするか』
顎に手を当てて何かを考え込んでいた海が不意に銀時の方を見る。じっと見つめたかと思えば、あっ、と口を開いた。
『お前の用件ってなんだ』
「あ、覚えてたのね?」
『悪い。忘れてた』
「うん。どうしようかと思ってた。実はさ、とある人間を探したいんだよね」
『江戸にいるのか?』
「居るはずなんだけど……」
『誰だそれ』
「源外のじーさん。ここに来る途中で相棒が壊れちまってよ。江戸でカラクリを直せるって言ったらあのじーさんだけだろ?」
『源外さんか。ならやることは同じだな』
「やること?」
『ついてくれば分かる。新八と神楽にはこの事話してあるのか?』
「一応……」
『それならアイツらも来るだろ』
源外について何かを知っていそうだが、海はそれ以上何も言わなかった。
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