第253幕
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「海さんって今と昔じゃ全然違うんですね」
『そういうもんじゃねぇのか?子供がこんな話し方してたらそれこそ怖いだろ』
「いや、なんというか……子供のころは随分と……」
『何が言いたい』
「な、なんでもないです!!」
もごもごと喋る新八にぴしゃりと言い放つ。なんでもないとは言いつつも、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべていたので、その頬を摘んだ。
「なにするんですか!」
『なんかムカつく』
ぐにぐにと引っ張ってから手を離す。
改めて過去を思い返したが、本当に今とは全く違う性格だったと思う。昔の自分は泣き虫で怖がりだった。松陽と銀時の側を離れなかったし、二人がいなくなれば火がついたように泣きじゃくった。
そんなガキによく松陽と銀時は相手をしたものだ。自分なら蹴り飛ばしている。自分のことだけど。
『銀時と晋助のあれは昨日今日始まったことじゃないってのは理解したな?』
「はい。でも、本当に大丈夫なんですか?銀さんはまだしも、高杉さんは……」
『そうだな……まぁ、仇は俺が取るよ。うん』
「待ってください。それじゃ銀さん死んじゃうみたいな感じじゃないですか!」
『どうだろうな。あいつらの勝敗って本当に分かんねぇんだよ。昨日は晋助が勝ったけど、今日は銀時が勝ったって、均衡状態続いてるからさ。今日はどっちが先に倒れるかなんて最後まで見てないと俺にもさっぱり。なんなら二人とも倒れることもあるんじゃないか?』
「そんな曖昧なんですか!?」
互いに本気でぶつかり合っているからこそ途中で止めるなんてことは無い。誰かが間に入ったとしても続けようとする二人なのだ。下手に手を出せばこちらが危なくなる。
それに気が済むまでやらせればいいと思う。あの二人は話し合うより剣を交えた方が素直だから。
『銀時たちのことはあとにして、今は将軍だ』
「……はい」
外の明かりがもう見えてきている。出口はもうすぐ近くだ。
この洞窟を出た先にいるのは味方なのか、それとも敵なのか。
『誰であっても、だな』
将軍は最後まで護りきる。近藤たちに任された仕事というのもあるが、ここまで来るのに多数の屍を乗り越えてきた。どれだけの犠牲を払ったとしてもこの男だけは護り通さなければならない。
この国の先を背負っている者なのだから。
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