第234幕
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土方をボコすことで満足した海は急いで銀時のあとを追った。
『何探してんだよ』
「猫だよ、猫!俺の魂持ってんだよ!」
『なんで猫がお前の魂持ってんだよ。てか、なんで分離してるんだよ』
「詳しいことは俺にも分かんねぇよ。でも、猫が持ってんのは確実だ!」
白い猫、とだけ言われても探し出せるわけもない。この街にどれだけ白い猫がいるというのか。その一匹一匹を捕まえたとして、どうやって銀時の魂を出させると言うんだ。
『お前はいっつも無茶ばっかり言いやがって……!』
「仕方ねぇだろ!俺だって猫のケツに吸い込まれたくはなかったわ!」
ギャーギャー喚きながら三人で白い猫を捜索するも中々見つからない。そもそも一緒に同じ場所を探していること自体効率が悪い。
『これじゃいつまで経っても見つからねぇ!俺はあっち探すからお前らはそっち探せ!』
十字路の真ん中で疲れて立ち止まった銀時と土方に声をかけ、海は彼らに背を向けてまた走り出す。
『こんなんじゃ時間だけ掛かるだろうが!』
今はとにかく人手が欲しい。そう思って胸ポケットに入れていた携帯に手を伸ばした。
『朔夜!全隊士に出撃準備させろ!』
"え!?なに、突然……"
『いいから早くしろ!』
"り、理由は!?近藤さん知ってるの?"
『近藤さんには後で伝える!理由は……』
白猫一匹探して欲しい。なんて言えるわけもない。
『猫……』
"猫?"
『猫型えいりあんが街を襲ってんだよ……。だから屯所にいる隊士全員出して、白い猫を探せ!』
"わ、わかった!"
朔夜の慌てる声を最後に通話がプツリと途切れる。
『なんだ猫型えいりあんって……猫型○ボットじゃねぇんだよ……』
咄嗟に思いついたものだったとはいえ、あまりにも酷すぎる。自分ならきっと信じない。何馬鹿なこと言ってるんだといって電話を切るだろう。
『帰ったら……何か買ってやるか』
純粋な弟を騙してしまった罪悪感で海は暫くその場に立ち尽くした。
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