第250幕
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あれやこれやと言い合いをし、夜兎を倒している間に将軍を真ん中にして海たちは背を向けていた。
「やれやれ……」
「将軍の護衛が将軍に護られてたら世話ねーな……。見たとおりだ。全員あるもんはパンツの中まで全部ひねり出さねぇと生き残れねぇよ」
「案ずるな。空いた背中は互いに護り合う……それがダチ公であろう」
「ヘッ、一体どこのどいつだ将軍様に汚ぇ言葉を教えたのは」
「トモダチンコの方が良かったアルか」
「そうか。そんな言い方もあるのだな」
『いや、ねぇよ』
真顔で覚えようとする将軍にすかさず否定した。土方と余計なことを教えるなと言ったが、将軍は聞く耳持たずに呟いていた。
「桜樹、トモダチンコ以外にも言い方があるのか?」
『ないですから。そもそもその言い方も間違いですから。普通に友達……いや、ダチ公でいいと思いますよ』
「ふむ。桜樹が言うなら間違いないな」
「ちょっと待って?ねぇ、将軍様さっきからなんで海の言うことは素直に聞くの?」
「諦めろ。コイツは将軍様のお気に入りだ」
「はぁ!?そんなの聞いてないんですけど!?」
『気に入られた覚えは全くないんだが』
もしかして遊びに行く時によく連れ出されるのはそれが原因だったりするのか。キャバクラやらプールやらスキーやらと色々と行かされたが、もしやそのせいだったのか。
『なぁ、銀時』
「な、なに……」
『もし転職するってなったら少しの間お前のところに行ってもいいか』
「えっ!?するの!?いいよ!なんなら俺んとこに永久就職してもらっても──」
「何話してんだてめぇら。お前の退職願なんて受け取るわけねぇだろう」
もうこの職場とやっていける気がしない。そう思って銀時に耳打ちしたのだが、銀時の隣にいた土方は聞き逃さなかったのか、ギロリとこちらを睨んできた。
「やだやだ。そうやってウチの海を束縛するんだから」
「何が束縛だ!てめぇだって変わらねぇだろうが!」
「俺は海の恋人だからいいんですー」
ふんっと鼻を鳴らす銀時。またよく分からない喧嘩が始まった。そう思ってため息をついた時、後ろにいる将軍がぐすっと鼻を啜った。
『は?』
「えっ……将軍様泣いてますけど……」
「将ちゃんどうしたアルか?」
「いや……いいんだ」
何が?
「そうか……桜樹には妻が居たのか」
「…………え?」
『…………は?』
ピシッと固まる一同。しくしくと泣く将軍に誰もがあんぐりと口を開けていた時、夜兎の集団から傘を差した男がこちらへと歩み寄っていた。
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