第250幕
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『でもまぁ……相手は攘夷浪士じゃなくて夜兎か』
「あの軍勢とまともにやり合えば勝ち目はねぇな」
次々と降りてくる夜兎たちはまるで降り注いでくる槍のよう。一人一人であれば勝機はあるかもしれないが、あれだけの人数を相手にするとなると骨が折れる。
「ガラにもねぇ。やる前から弱音か?」
「聞こえなかったか。まともにやったらの話だ」
銀時の後ろで大岩を担ぐ神楽の姿が目に入る。
『夜兎って本当に限界がないよな。大砲ぶち壊してみたりあんなデカい岩持ってみたり』
「神楽ちゃんはなんでもできる子だから」
『将来有望だなそりゃ』
兄が兄なら妹もだ。きっとあの兄妹は他の夜兎とはまた違うのだろう。凶暴性が。
「海、頼んでいいか」
『はいはい。将軍と新八な』
「頼む」
銀時たちは片っ端から夜兎を倒し、海は将軍と新八を襲う夜兎の相手をする。
完全に逃げ切ることは出来ないだろうが、どこかで隠れることが出来ればこちらの勝ち。それまでは耐久戦となる。
『新八、将軍!走るぞ!』
「は、はい!」
「あ、ああ!」
走り出そうとした将軍がガクッと止まる。足元には血を流して倒れている夜兎が将軍の足を掴んで離さない。その間に別の夜兎が将軍を殺そうと傘を振り上げていた。
『俺の目を盗んで殺ろうなんて甘いんだよ』
倒れている夜兎には新八が。襲いかかろうとしていた夜兎は首を失ってどさりと地面に落ちた。
『行くぞ』
呆気に取られている将軍の腕を掴んで走り出す。あちこちから飛んでくる夜兎を避けつつ、銀時たちが戦っている間を抜けていく。
「海さん!」
『わらわらわらわらと……本当にこいつらゴキブリなんじゃねぇの?』
左右から飛び込んできた奴らを斬り伏せるも、相手はむくりと起き上がって傘を振るう。傘の先が頬を掠め、血が出たのをそばに居た将軍が目を見開いて驚いていた。
「桜樹!」
『これくらいで騒がないでください。あっちはもっと酷い』
銀時たちは頭から血を流しながら戦っている。海の方は将軍を護るために動いているのでそれほど被害はない。
「私はっ……」
『何のために居るんだとか言わないでくださいよ?そんなこと言われたら護る意味が無くなる。あんたはそこに居ればいい。その身は護る価値があるんだから』
だからその場を動くなと言うと、将軍は何かを言いかけてやめた。
『まぁ……その懐にあるクナイを投げられるって言うなら。手を貸してもらいたいものですが』
「私にはこれしかない。これで桜樹を護れるなら」
『いや、護られてるのはあんただからな』
「私も桜樹を護りたいんだ」
『いや、別に俺は……』
「ちょっとそこぉ!!なにやってんの!?こっち大変なんだけど!!」
護る護らないの言い合いをしていると、横から銀時がキレ散らかしながら叫んできた。邪魔をするなと言わんばかりにそっちの方へと目を向けると、ボロボロになった銀時たちがこちらを睨んでいた。
『……たったの数分でそこまでになるか普通』
「悪かったな!海くんとは違うんですー!」
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