第249幕
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海と別れたあと、銀時は新八と神楽を連れて将軍の護衛に当たっていた。
「海さん大丈夫ですかね」
「あ?なに?」
「だから海さん大丈夫ですかねって!」
「大丈夫って言ってたんだから大丈夫なんじゃねぇの?」
先頭を走っていた銀時の横に新八が顔を出す。心配げな表情でこちらを見てくるが、銀時は素っ気ない返事を返した。
海についてこいとは言ったものの、あの会話の後では何となく話しづらかった。だから海が一人で近藤たちを探しに行くと言ったとき本当は安心していた。
これ以上、松陽の事について聞かれることは無いと。
一時しのぎではあるけど、過去について語らなくて済む。海に話さなくてはいけないのは分かっている。本来であれば前回聞かれた時に全て話さなければならなかった事だ。それを長い間待たせてしまった。
それなのにまだ話す勇気が出ないでいる。正直に話せば楽になるのに。それでも話せない。
海に怒られるのが怖いわけじゃない。話して距離を置かれても仕方ないと思う。それだけの事を自分はしたのだから。
ただ……。
「失望されんのが怖いなんて……」
松陽を助けるためにあれだけの事をした。海を戦争に巻き込んで沢山傷つけもした。それなのに松陽の事を救えないどころか、この手で殺してしまっている。
それをどうやって説明すればいいんだ。言い訳をするつもりは無い。でも、海に嫌われたくない。
全てを話したあと、高杉のようにこの国を恨むように……銀時のことを憎むとしたら。
そんな事になったら自分は今度こそ立ち直れないだろう。
「銀さん……海さんは大丈夫って言ってましたけど、あの人方向音痴じゃないですか。絶対僕たちのところまで戻って来れませんよ」
「あ、忘れてた」
新八に言われてハッと目が覚める。今はこんなことを悩んでいる暇は無い。海に任された将軍を護り通さなくては。
「ったく、あのバカ。こんな場所じゃすぐに戻って来られないだろうが」
やっぱり一人で行かせなければよかった。海の事だから屋敷の中をフラフラと歩きながら夜兎たちを倒しているだろう。そう簡単にやられるような奴では無いことは知っているけど、それでも不安は残る。
銀時たちの元に戻るよりも先に高杉と会うことがないように。
「一先ずコイツら片付けたら海探しに行くぞ!」
「はい!」
「うん!」
屋根を突き破って現れた夜兎たちに銀時たちは木刀を手にした。
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