第249幕
name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『とりあえず将軍はまかせた』
「お、おい!」
『先に近藤さんたち見つけてこねぇと。便所に行ったんだかなんだか知らねぇけど、俺たちだけじゃ人数が足りない』
春雨や鬼兵隊の相手をするのであれば、かなりの手練か人数が必要になる。今この里にいる中で信頼出来るのは銀時たちと近藤と土方のみだ。
「探さなくたってアイツらならすぐ出てくんだろ。一人でフラフラしてねぇで俺たちと……」
一緒に来いと伸ばしてきた手を振り払い、海は一人でその場から去る。
「海!!」
『将軍に怪我なんかさせたら打首だからな。気をつけろよ』
それだけ残して近藤たちを探すべく屋敷を歩く。途中、床が抜けたり四方八方からクナイが飛んできたりと忙しかったが、一応厠につくことはできた。
『入り組んでてよく分かんねぇな。これ元の場所に戻れるのか?』
厠の中を見て声を掛けたが、もう既に近藤たちはいない。むしろ無事にここに辿り着けたのかも怪しい。あの二人であればうっかり罠に掛かりましたというのも有り得なくは無い。特に近藤は。
『戻るにしても……』
先程よりも辺りは騒がしくなってきている。海が屋敷の中を練り歩いている間に春雨たちは屋敷へと到着していたのだろう。バタバタと廊下を走り回る音と金属音がそこかしこから聞こえてくる。
「おい、ここに居るぞ!」
「けっ、弱っそうな人間じゃねぇか」
厠の前で考え事をしていたところを天人に見つかってしまい、海は思考を中断させる。
『人が考え事してるってのに邪魔するなんてなぁ』
ゲラゲラと下品な笑い声を発しながら傘を振り上げてくる天人。その見た目はいつぞやの男らを彷彿とさせた。
『夜兎か』
陽を遮るための傘に頑丈な身体。大きな見た目と反して瞬発力に長けた足。それは吉原で目にした人物らと酷似している。
『神威や神楽はこんなゴリラみたいじゃないもんな……ということはまだまだ成長過程ってところか』
振り上げられた傘を避け、夜兎の首へと刀の切っ先を突き刺す。首元から大量の血を吹き出して倒れた仲間を見て驚くもう一人の足を斬りつけて膝を床に付けさせた。
『悪いがお前らに構っている暇は無い』
怒りの滲む目でこちらを睨んでいる夜兎を冷たく見下げながら海は刀を振り下ろした。
.