第248幕
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「気づいていたのか?」
ゆっくりとこちらに近づいてくる男に近藤と土方は咄嗟に身構える。そんな二人を海は制して男の前へと出た。
「海!」
『他の忍びとはどうも動きが違ったので』
「そうか。やはり少し学んだだけではなりきるのは難しいな」
「え?え??なに?どういう状況なのこれ」
『まだ分からないのかよ』
戸惑う近藤にため息を漏らす。
『でも、なんで将軍様がこちらに?本来は船で護送されるはずだったのでは?』
「うむ。そのような話になっていたみたいだな」
口元の布を外し、将軍は顔を晒す。すると、土方と近藤は驚きで口をぽかんと開けて固まった。
「え゙っ、なんで将軍様がここに!?」
「話すと長くなる。今は説明よりも伊賀衆を止めなければ」
「そ、それはそうですけど……」
『その格好をなさっているということは、その伊賀衆という部隊の中に味方がいるんですか?』
「ああ。だが、片方は……」
『裏切ってる、ってことですね』
海の言葉に将軍はなんとも言えない顔で俯く。仲間だと信じていた相手から手を切られたのだ。それなりにショックもデカいだろう。
『なら急ぎましょう。影武者の力は強いとはいえ、彼の近くにいるのは子供ですから』
きっとその裏切り者は銀時たちとやり合っているだろう。ここに猿飛もいないから多分そっちへと回っているはずだ。
二人がついているのであれば心配は無いと思うが、それでも子供たちの身の安全は確保したい。
「桜樹、その格好ではダメだ」
『はい?』
「それでは彼らのところに行くまでの間に狙われてしまう」
だからこれに着替えろと伊賀衆の服を渡され、海たちは素早く衣服を取り替えた。
「あのー……将軍様、一つ伺っても良いですか?」
「なんだ?」
「その……なんで、そんなに海の事をじっと見てるんですか?」
「……良い身体付きをしていると思ってな」
「でもそんなに見なくても……」
「こういう時にしか見られないだろう」
「アンタ何言ってんの!?」
三人で固まって何を話しているのかと思えば、腕を組んで海をじっと見つめている将軍。その顔には赤い液体がたらりと垂れている。
「将軍様!鼻血!鼻血が出てます!!」
「ただの変態じゃねぇか!!」
騒ぐ二人に対して将軍は答えず、真顔で鼻血を垂らしながら海を眺めていた。そんな将軍に向けて先程拾ったクナイを投げつける。
『さて、行くか』
「待ってぇぇぇ!?海くん、将軍様倒れてるよ!?頭にクナイぶっささってるけど!?」
『こんなところで騒いでるからだろ』
「理由になってないよね!?もう暗殺されてるよねぇ!?!?」
騒ぐ近藤を放置し、倒れた将軍を引きずりながら歩く。森の中からひょこりと出てきた伊賀衆は海が引きずっているものを見て全員青ざめた顔をした。
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