第248幕
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「おい!海、てめぇなんでこっちにいんだ!」
『口より手を動かせ!』
襲いかかってくる忍びたちを一人、また一人と斬り伏せる。こちらの人数よりも相手の方が多く、倒しても倒してもわらわらと人が飛び込んできた。
将軍の護衛として待機していた斥候部隊はほぼ壊滅。その為、相手がどれだけいるのか。この忍びたちに指示を飛ばしている人間がいるのかを把握出来ない。
『ったく……これなら大人しく総悟の方に行ってれば良かったな』
将軍を護送する船の警備に当たっていた海にやつはヘラヘラとした顔で近づいてきた。
──なぁ、アンタ。こっちじゃなくて別んとこ行ってくんない?
見覚えのある顔のそいつは海が乗船するのを止めさせ、こちらの部隊に入るように告げた。理由を聞いてみたが、男はただ笑って誤魔化すだけで話そうとはしなかった。
海が乗らなければ将軍の護衛に穴が空く。ただでさえ少人数で行っている作戦だ。何かあった時の戦力も最低限にされている。将軍とそよ姫、そしてその家臣が乗っている船でまともに戦えるのは海と総悟のみ。
あとの者たちは侍としては名ばかりのものたちだらけだ。相手が人間なのか、はたまた天人なのかも分からない状況で海が抜けられるわけもない。
──それなら別の人間連れてきな。いらないと思うけど、そんなに心配だって言うならよ。
どうしても海を船に乗せたくないと言わんばかりに男はシッシッと手を払った。
そうして海は近藤たちの元へ、朔夜は総悟の元へと行った。
『あの言い方……まるで、"将軍は船に乗ってない"みたいな……』
護衛する必要は無いとまでは言われてないが、そこまで人はいらないと服部は言っていた。将軍やその妹が乗っているのに人は要らないなんてことがあるか。最も警備を手厚くしなくてはいけないところなのに。
「海!そっちはどうだ!?」
『何ともない。近藤さんは?』
こちらに向かって手を振りながら走りよってくる近藤に大丈夫だと声をかける。
「なんで海がこっちにいるんだ?俺は確か朔夜をこっちに回したと思ったんだが」
『諸事情でこっちに飛ばされることになった。朔夜は総悟の方に行ってる』
「諸事情ってなんだ。局長命令を無視してまで優先した理由は」
『知らねぇよ。船に乗ってた忍びにお前は乗せられないって言われたんだから』
「なんだそれ!海、乗船拒否されたのか!?」
睨んでくる土方に嘘偽りなく伝えると、何故か近藤にケラケラと笑われた。何がそんなに面白いんだと聞いたが、近藤は海を指さしてくすくすと笑う。
「乗船拒否って……!え!海何したんだよ」
『何もしてねぇよ。だから分からねぇんだろうが』
「なんでお前は拒否されてんのに朔夜は乗ってんだよ」
『知るか。俺に聞くな』
聞かれても答えようがない。分からないものは分からないのだと突っぱねる。
『それに多分答えはここにある』
「ここに?」
首かしげる近藤の後方へと目を向けると、そこには白い服を着た男がぽつんと立っていた。
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