第247幕
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「あれ?なんか一人増えた?」
「朔夜、お前は姫様を護れ」
「総悟が相手するの?」
「あいつは俺をご所望みたいだからな」
そよ姫を朔夜に託し、総悟は一歩前へと出る。
「んー……なんだか似てる気がするんだよなぁ」
傘の男は朔夜をじっと見つめて首を傾げた。
「ねぇ、そこの君さ。お兄さんとかいる?」
「えっ、僕?」
「そう君。すっごく強いお兄さんいるよね?」
「朔夜、早く行きなせぇ」
戸惑う朔夜の背を押して相手の視界から外させる。男はいるのかいないのかと聞いているが、言い方的に兄がいると知っていて聞いているようだ。
「総悟……」
「答える必要はねぇ」
「で、でも……あの人、兄さんのこと知ってるみたいだよ」
朔夜が"兄さん"と言葉に出した瞬間、男は嬉しそうに笑った。
「やっぱり!似てると思ったんだよ。へぇ、君が海の弟かぁ」
「なんで兄さんのこと知ってるんですか!」
「朔夜!」
「だって君のお兄さんとやり合ったことがあるからね。彼、凄く強かったよ。ねぇ、今どこにいるの?」
「朔夜!!早く姫様連れていけ!」
「あっ……う、うん!」
はっと我に返った朔夜はそよ姫を連れてこの場を離れる。その後ろ姿を男はつまらなさそうに眺めた。
「なんで邪魔するかな」
「お前の相手は俺だ」
「そうだけど……。海の弟も気になるんだよね。まぁ、でも兄弟といえども強いとは限らないけどさ」
朔夜の方を名残惜しそうに見てから、漸く男が総悟の方へと向き直る。
この男にはいくつか聞きたいことがあるが、そんな余裕は無いだろう。
「じゃ、楽しませてよ」
傘を片手に踏み込んでくる男に向けて刀を構える。
「(ここに海さんが居なくてよかった)」
もしここに海がいたらこの男と交戦してたはずだ。一度やり合ったということは、男が海に負けたのか、それとも海がこの男に負けたかだ。
楽しげに海とやり合ったんだと言った男に悔しさは怒りは微塵も感じられなかった。となると答えは後者に当たる。しかも相手は海に会いたがっているのだ。
「(どいつもこいつも海さんのこと狙いやがって)」
相手が海の事をただの好敵手として見ているだけではない。きっと、それ以上のものを持っているはず。
そうなれば益々海と会わせたくない。
「今回は海さんのわがままに賛成しますよ!」
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