第247幕
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「やってるやってる。すごいね、忍びってヤツらは。数人潜り込ませただけで蹂躙し放題。まるで毛じらみだな」
「何?その例え」
「侍以外にもあんな強ぇヤツらがいたなんて、オラ、ワクワクすっぞ!」
「ワクワクしないで。仲間だからね」
刀を振るっている侍たちを忍びは一人残らず蹴散らしていく。その様は見ていてとても愉快だった。
この国はまだ面白いものが沢山ある。強いと思っていた侍は実はそんなでもなくて、忍びなんてよくわかんないヤツらの方が強い。見たことの無い武器でどんどん殺していく不思議な人種。
「分かってるさ。今回はシンスケと勝負してんだ。誰が本物の将軍の首を取るかってさ」
「出る幕もねぇさ。見ろあのガキ。確か将軍とやらの妹だったか?あんなVIPにもう護衛一人ついてねえ。本丸も間もなくジ・エンドさ」
派手な着物を着た女は必死に船の中へと逃げ込んで行った。その後を数人の男たちが追いかけ、瞬きをする間もなく中から手だけが外へ出てきた。
阿伏兎は将軍の妹はもう死んだとつまらなさそうに言ったが、神威は女が入っていった先をじっと見つめた。
奥に何かがいる。
「姫様ー、見てくだせえ。あれがホルモン、あれがレバー。あれが……」
「きゃー!やめてください!」
「さて、次はハツかミノか……」
死んだと思われていた将軍の妹は侍と共に出てきた。転がる死体を見ながら何やらブツブツと呟き、隣にいる女を怯えさせながら。
「(やっぱり侍は面白いや)」
たった一人で女を守る姿はいつぞやの男の姿と被る。
あの男も子供を護るために何度も神威に立ち向かってきた。どれだけ殴ろうと蹴り飛ばしても。
「海は今どこにいるのかなぁ。また会いたいんだけど」
遊ぶのであれば強いやつがいい。そう簡単に死ぬ事の無いヤツ。
「ちょうど暇してたんだ。アイツに相手してもらおうかな」
海の代わりにはならないだろうけど、多少は楽しめそうだ。なんせあの侍は自分と同じ匂いがする。
侍に襲いかかろうとしている忍びたちの背をクッションにし、神威は侍の前へと降り立った。
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