第247幕
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「本当に?」
「ああ……斥候二人に見回り三人。いずれも背後から一撃だ」
最後の団子を口の中へと放り込んだ時、お庭番衆と御徒衆が何やら騒がしくなった。
「どうしたんですかね」
「さぁな。なんかあったんじゃねぇの?」
「何アルか。トイレでも行きたいアルか?」
どうやら話の内容は悪いものらしく、猿飛の横にいる女の顔色は悪い。
「お庭番の索敵を逃れて?」
「裏切り者でもいるというの?」
「その可能性が高い。とにかくこのまま西へ進むのは危険だ。一度部隊を集め、全員の身を改めるべきだ」
「ぎ、銀さん……!」
「ったく、これじゃ敵も味方もわけわかんねぇな」
どうやら味方だと思っていた奴らの中に裏切り者がいるらしい。それならばお庭番衆の目を盗んで見回りの人間を殺すことも可能だろう。
誰が味方で、誰が敵か。これからは周りにいるヤツらと腹の探り合いをしなければならないかもしれない。
「まったくめんどくせぇな。こういうの苦手なんだよ」
ここに海が居なくて良かった。例え今回だけの仲間だとしても、あの子は同士討ちを苦手としているから。
「別の場所にいるってのも心配だけどね」
背後から殺気を感じて瞬時に木刀を後ろへと突き出す。団子を銀時たちに持ってきていた女はクナイを手にしていた。
「やれやれ。漸くワナにかかったというべきか。こちらがかかったというべきか」
「化かし合い。こっちは将軍に化けた影を用意してたけど……向こうは仲間に化けた影を潜り込ませてたみたい」
猿飛が倒れた男の顔を掴むと、覆面がべりっと剥がれる。そこには見知らぬ男の顔。
「誰っ!!」
何かに気づいた猿飛が森の方に向かって叫ぶ。両手にクナイを持って何時でも相手を殺せるように。
相手は問いかけられても返事はしなかった。その代わりにと猿飛の前に黒いものが投げられる。
それは銀時たちの足元に転がっている死体と同じ服を着た男ら。
「誰なの。出てきなさい!」
森の奥からガサガサと草木をかき分けて誰かがこちらへと歩いてくる。近藤と土方も刀を手にして相手の出方を伺った。
「銀さん!も、もしかして……」
「敵アルか!?」
固唾を飲んで皆が見守る中、そいつは夕陽の下へと現れた。
『悪いが、こんなことしてる暇は無い。相手の部隊がもうそこまで来てる』
フードを被った全身真っ黒な男。そいつは刀を仕舞いながら抱えていた死体を地面へと放り投げた。
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